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《ブラジル》ボルソナロがPL入党=苦しんだ政党選びの末=現閣僚も続々と後追い=支持者は中道選択に困惑

ボルソナロ大統領(Marcelo Camargi/Agencia Brasil)

 ボルソナロ大統領は11月30日、正式に自由党(PL)に入党した。この入党式により、2年にわたる大統領の「政党なし」の状況に正式に終止符が打たれた。11月30日付現地サイトが報じている。
 ボルソナロ氏は2019年11月、所属していた社会自由党(PSL)を離党し、新党「アリアアンサ・ペロ・ブラジル」の結党を宣言した。だが、結党に必要な約50万人分の署名が集められず、22年の大統領選に間に合いそうにないために、長期間にわたり、所属政党を探していた。
 この日にブラジリアで行われた入党式で、ボルソナロ氏は「PLを選ぶ決断は楽ではなかった。マルコス・ペレイラ氏(政党・共和者の党首)をはじめ、多くの人たちと話をした」と語った。
 ボルソナロ氏はこれまで、共和者、パトリオッタ、ブラジル労働党(PTB)、進歩党(PP)との交渉を行ってきた。PLはボルソナロ氏にとって、過去33年間で九つ目の政党で、PPやPTBは古巣でもあった。
 この日のボルソナロ氏は「入党式に絞る」として、大統領選の展望などは語らなかったが、「PLとの結婚で70人は子供ができる」と語り、自身の移籍と共に多くの閣僚や議員が自分を追ってPLに入党するとの見解を示した。

 この日は長男のフラヴィオ上議、地域開発相のロジェリオ・マリーニョ氏の入党式も行われている。
 エスタード紙によると、ボルソナロ氏は連邦政府の閣僚の少なくとも5人をPLに入党させたいとしている。その中には、大統領がサンパウロ州知事選にと考えているタルシジオ・デ・フレイタス・インフラ相やオニキス・ロレンゾーニ労働社会保障相、マルセロ・ケイロガ保健相などが含まれており、知事選や上議選への出馬が望まれている。
 PLは現在、下議43人で下院3位だが、PSLやその他の政党のボルソナロ氏の支持者の移籍が考えられている。その一方ではマルセロ・ラモス副下院議長など5人の下議の離党も予想されているが、1位、もしくは2位の政党になる可能性は十分にある。そうなると、大統領選の際にテレビやラジオでの放送時間や選挙時の支援金で有利になる。
 だが、ボルソナロ氏のPL入りには反対の声も根強い。それは、PLが中道路線でボルソナロ氏本来の極右路線と異なること、PL党首のヴァルデマール・コスタ氏がメンサロン事件での収賄容疑で実刑に服した前科があることで、「政界腐敗」撲滅のために立ち上がったと信じていたボルソナロ氏のイメージと異なるためだ。
 今回の入党式は、ボルソナロ政権の元法相で、ラヴァ・ジャット作戦担当判事だったセルジオ・モロ氏がポデモスに入党し、大統領選へ出馬との期待が高まっているタイミングで行われた。

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