2012年に行なわれた〃ブラジル建国の父〃ドン・ペドロ1世の遺体解剖に続き、サンパウロ総合大学(UPS)の医学部チームはドン・ペドロ2世やイザベル王女の遺体解剖も行うと29日付エスタード紙が報じた。
USP医学部チームは2012年2~9月にかけてドン・ペドロ1世と、一人目の妻レオポルジーナ、2人目のアメーリアという2皇后の解剖を行った。その結果、13年2月20日付本紙でも報じたように、ペドロ1世の落馬を原因とする死を裏付ける身体的な事実や、夫の暴力で亡くなったとされたレオポルジーナ皇后に外傷がなかったことなどが明らかとなっていた。
USP医学部チームはこのときの経験をさらに生かすべく、今度はペドロ1世の後継者で息子のドン・ペドロ2世にテレーザ・クリスチーナ皇后、同夫婦の娘で1888年の奴隷制廃止の立役者としても知られるイザベル王女、そしてその夫であったウー伯の4人の解剖を行なう予定でいるという。場所は1世のときと同じ、サンパウロ市西部のクリニカス病院だ。
だが、今回の解剖に関して大きな問題がある。それはペドロ1世らの遺体がサンパウロ市南部イピランガ公園内の王廟からの移動だけで済んだのに対し、今回の4人の遺体は463キロ離れたリオのペトロポリス聖堂内にある帝国廟に納められていることだ。この遺体の移動を空路で行なうか陸路で行なうかがまず争点のひとつとなっているが、少なくともペトロポリス山脈までは高速道を使うのではと目されている。
また、今回の解剖でも前回と同じように断層影像法や核磁気共鳴画像法など、放射線医師を伴った科学的な手法によるもので、仮に前回と同規模で行なわれるとすると1億5千万レアルかかるという。
今回の解剖に関しては、イザベル王女に防腐処置が施されていたことから保存状態が良いと思われている。前回の解剖ではアメーリア皇后がミイラ状態で発見されていることも話題となっていた。
USP解剖チーム=次はペドロ2世にイザベル=1世の解剖結果に手ごたえ
ニッケイ新聞 2014年1月30日