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最高裁=長官不在の間に寛容判断?=ジルセウ電話使用疑惑で

ニッケイ新聞 2014年1月31日

 連邦最高裁のリカルド・レヴァンドウスキー副長官が29日、刑法裁判所に対し、疑惑があるために審議差し止めにしていたメンサロン事件主犯のジョゼ・ジルセウ元官房長官(労働者党・PT)の労働許可について、即刻審議するよう命令を出し、最高裁内で波紋を投げかけていると30日付エスタード紙が報じている。

 ジルセウ氏はセミ・アベルト(昼間外出)が認められていることから、収監先のパプーダ刑務所に近いブラジリアの法律事務所での昼間の労働を求めていた。

 しかし、ジルセウ氏が刑務所内から使用禁止のはずの携帯電話で、バイア州鉱山商業産業局のジャメス・コレイア氏と会話したとの疑惑が持ち上がったため、刑法裁判所が労働許可の申請を30日間差し止め、事実関係の調査に当てたいとしていた。

 これに対し、ジルセウ氏が24日に最高裁に上告し、休暇中のジョアキン・バルボーザ長官の代理としてレヴァンドウスキー副長官が応じた。同副長官は刑法裁判所の差し止めを無効にし、すぐにジルセウ氏からの労働申請を審議するよう命じた。

 同氏の弁護士に対し、レヴァンドウスキー副長官は「ジルセウ氏に対する今回の疑惑は、連邦直轄区の刑務所が最近行なった調査で、そのような事実がないことが明らかになっている」と、刑法裁判所の調査の必要がないことを書面で伝えている。

 レヴァンドウスキー副長官は12年のメンサロン事件で書記官をつとめ、報告官をつとめたバルボーザ現長官としばし意見が対立していたことで知られている。バルボーザ長官が即刻の刑執行を命じたジョアン・パウロ・クーニャ元下院議長(PT)に対し、長官の休暇期間中に長官の代行役を任されていたものの、最初の代行役だったカルメン・ルシア判事共々刑執行の手続きを行なわず、長官の怒りを買っていた。今回の件でも長官の反論が予想される。