ニッケイ新聞 2014年1月31日
昨年から会合が重ねられている文協改修事業について、特別委員会(花城アナクレット委員長)に対し28日、文協ビル3階の移民史料館収蔵庫・事務所の改装工事を請け負う4業者からの見積もりが提出されたが、「さらなる検討が必要」と見送られた。同委員会の松尾治委員から「(予算不足のため)企業周りが必要」との声も挙がるなど、完全着工までは、ほど遠い状況だ。大塚商会(本社・東京)の大塚実名誉会長による昨年3月の1億円寄付から、ほぼ一年。文協の実行力に今更ながら大きな疑問符がつきそうだ。
移民史料館の収蔵室・事務所改装における見積もりが比較されたが、「さらなる検討が必要」と決定には至らなかった。3階をいくつかの区域に分け、順に施工する方針が話し合われ、「今後も議論を重ねる予定」だという。
事務所の一時移転先として、元援協スペースが考えられていたが同階の別室に移転する方針が話し合われるなど、工事以前の事項すら確定していないことも明らかとなった。
昨年12月の評議員会では、1億円の用途である「大講堂」「体育館」「史料館」「日本館」の改修に、それぞれ74万レ、74万レ、49万レ、3万レ(計200万レ)見積もっていたにも関わらず、松尾委員は「1億円だけでは賄えないかもしれない。企業周りの必要もある」と発言した。
大講堂、体育館に関しては何も目処が立っておらず、「5、11月に1カ月間程度、工事を出来る時期があるが、計2カ月でどれほどの作業が行えるのか…」(事務局)と話すなど、先行きは見えない。
日本館のシロアリ駆除など修復の延長作業は、引き続き中島工務店(本社・岐阜)に依頼するため、関係者の来伯日時を調整中と、こちらもまだ具体的な日程は決まっていない。