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労働手帳得る外国人激増=前年比53%増、4万超え=難民申請のハイチ人急増=ボリビアなど南米出身者も

ニッケイ新聞 2014年2月1日

昨年、労働雇用省が外国人に発給した労働手帳の数は4万1400冊に達し、前年の2万7100から53%も増えた。最も多かったのはハイチ人で1万1800冊に及んだが、これはここ数年で激増したハイチ人に対し、人道的性質の正規労働可能なビザを特例で発給することを政府が許可したからだ。1月31日付G1サイトが報じた。

G1の調べによれば、労働手帳を取得するハイチ人の数は03年の3094人から徐々に増え、13年は前年(5100人)から132%増えた。ハイチでは2010年に大地震が起き、30万人の死者を出した。それ以降、不法入国者は増えつつあった。

1万1800件のうち4500件が、ハイチ人の主な不法入国口であるアクレ州で発給されたものだ。同州人権局によれば、2010年に州内に入ったハイチ人はわずか37人だったが、11年は1175人、12年は2225人、昨年は1万779人にまで増えた。

このハイチ移民急増に危機感を募らせた同州ブラジレイア、エピタシオランジア両市は昨年4月、「緊急事態」発令を求めた。連邦政府は同地域に軍隊の強化部隊を駐留させ、不法入国者を管理するよう指示した。連邦警察は入国後に記入する書類を簡素化したため、ビザと労働手帳の発給に拍車がかかった。

ただし、本来のハイチ人の置かれている状況は難民といえない部分があるにも関わらず、ハイチ人の場合は数が多すぎ、当地では特別に「難民」として処理している。

ハイチ人は警察での外国人登録の後、書類が国家難民委員会(Conare)、国家移民審議会(Cnig)へ送られて審議される。法務省外国人担当課によれば申請した99%が認められる。その後、難民申請中の段階で180日間までの労働許可が与えられる。

連邦警察のサンパウロ州外国人担当部局のディオジェネス・ペレス氏も、労働手帳の発給数が増えた理由の一つに難民申請がしやすい点を挙げる。「ハイチ人だけではなく、どこの国からの入国者にとっても難民申請は非常に簡単」と説明する。

ブラジレイアで難民申請した32歳のハイチ人男性の場合、入国して17日で既に書類が整い、当地で労働できる状況になった。この男性は最初ドミニカ共和国に入ったが、ハイチ人に対する措置を取りやめているため当地に来たという。

今年も労働手帳を受け取るハイチ人は増え続けるとみられており、1月27日までに1229人がアクレ州から入国している。ハイチ人の次に多かったのがボリビア人で昨年は4618件(前年比25%増)だった。メルコスール加盟国(正準含む)出身移民にはビザ発給を簡素化するという協定があるためだ。

なお、3位からの順位は次の通り。パラグアイ、亜国、ポルトガル、ペルー、バングラデシュ、ウルグァイ、コロンビア、スペイン、セネガル、イタリア、フランス、米国、チリ、中国、韓国、ドイツ、ギニア・ビサウ、アンゴラ。