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年頭挨拶=外務大臣 岸田 文雄

新年号

ニッケイ新聞 2014年1月1日

 2014年の年頭に当たり,ブラジルにお住まいの日系人及び邦人の皆様に謹んで新年の御挨拶を申し上げます。また、先般、2020年夏季オリンピック・パラリンピックの東京開催が決定いたしました。皆様の御支援に対し、厚く御礼申し上げます。

私は、2012年末の外務大臣就任以来、日本外交の3本柱として「日米同盟の強化」、「近隣諸国との協力関係の重視」、そして「日本経済の再生に資する経済外交の強化」に取り組んできています。これらの取組に加えて核軍縮・不拡散、人間の安全保障、女性・人権を含む地球規模の諸課題の解決にも一層積極的に取り組むことを通じて、日本が国際社会の平和と繁栄に向けて、大きな役割を果たしていくべきと考えております。

世界経済は、欧州経済の低迷や新興国経済の減速等、引き続き不安定な状況にあります。そのような中にあって、東日本大震災からの復興に全力を挙げるとともに、デフレ不況からの反転の兆しを見せつつある日本に対して国際社会の期待が確実に高まっていると実感しています。そのような期待に応えるべく、日本が経済再生を実現し、世界からの信頼を一層強固なものとするためには、諸外国で活躍されている日系人や在留邦人の皆様との連携を強化することが非常に大切です。

日本とブラジルは、幅広い分野でその関係を緊密化させております。私自身、昨年9月にブラジルを訪問した際、就任直後のフィゲイレド外務大臣とお会いすることができました。経済面では進出日本企業数の増加に加え、昨年8月に日伯賢人会議が4年ぶりに開催されるなど、民間による取組が活発化しています。文化面でも、いよいよ今年開催されるワールドカップ・ブラジル大会により、日本を含む世界の注目がブラジルに集まることでしょう。さらに2015年の日伯外交関係樹立120周年に向け、両国を挙げた取組の実施をもって盛り上げていくことができればと思っております。

100年を超える日本人移住の歴史、世界最大の日系人社会の存在等、長年の歴史と伝統、そして人的絆に培われた特別な信頼関係にある両国が、こうして結びつきを更に強めていることを大変喜ばしく思うとともに、私としても更なる強化のために尽力していく考えです。また、日系人の方々のブラジルにおける長い歴史に思いを馳せつつ、有意義な意見交換をさせていただきました。日系人の皆様が引き続き両国の架け橋として御活躍されることを期待しております。

最後に、皆様の御多幸と一層の御繁栄を心から祈念しつつ、新年の御挨拶といたします。