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コラム 樹海

ニッケイ新聞 2014年1月3日

 昨年もいろいろな名(迷?)言が生まれた。心に残るのは、昨年就任した新法王が7月に出身地のブエノスアイレス大聖堂に自分の立像ができたと聞いた時の言葉、「今すぐそれを撤去してくれ!」だった。積年の問題が山盛りのバチカンを救うために選ばれたイエズス会初の法王だけに、質素を旨とする庶民感覚に溢れた清々しい名言だ。そういえばコロニアにもあちこちに胸像が…▼経済界ではマンテガ財相が「ブラジル経済は両足でビッコをひきながら成長している」との迷言を放った。片足は消費の減退、もう一方の足は国際金融危機とか。空港や道路、油田開発などの大型入札を実施したPTだが、両足がその状態で迎えた新年の成長率はどの程度?▼政界は迷言の宝庫だ。中でも〃横綱〃ルーラ元大統領の「もし俺をもっとイジメるなら、2018年に(大統領に)戻ってやる」との一言にゾっとした政界関係者も多かったのでは。発言は10月で、メンサロン裁判でルーラ政権時の右腕、左腕と目されたPT要人に有罪判決が下り、上告審の最中。さて経済では両足が、政界では両手が、次は首か…▼国際刑事機構から指名手配されているマルーフ下議からは「誰も私以上に、巷間の声に耳を傾け、政治改革の精神をもって輪廻する者はいない」との煩悩を〃超越〃した宗教者のごとき不可解な発言も▼W杯開催の中心、ブラジルサッカー連盟のジョゼ・マリア・マリン会長は80歳のご老体だが「医師に免職願いを頼むつもりはない。在職のまま死ぬ」発言を行い、齢を重ねることと悟りの深さは無縁であることを見事に証明した。新年もどんな迷言が生まれるか楽しみだ。(深)