サンパウロ市近郊のフェラース・デ・ヴァスコンセロス市で1日午後7時頃、飲酒運転の車が歩道で遊んでいた少女や近隣住民らを直撃するという事故が起きた。
事故が起きた瞬間は現場付近の防犯カメラがとらえており、カーブを曲がった車がハンドルを立て直せないまま、歩道にいた住民や少女ら6人に急接近、8~15歳の少女4人を撥ね、うち1人をガレージの扉を支える柱に押し付けるようにして止まった様子はテレビでも放映された。
歩道にいたロゼリー・アパレシーダ・フェレイラさんは、目の前に車が現れ、坂を下ってくるのを見たが、一瞬後に気づいたら娘が「助けて」と叫んでいたという。ロゼリーさんはかすり傷で済んだが、15歳の娘は3日もまだ入院中だ。
また、柱と車の間に挟まれた形になって重傷を負った11歳の少女のおばのタミーレス・アリーネさんは、「うちの娘は弾き飛ばされ、姪は柱に押し付けられて身動きも取れなくなった。姪が再び歩けるようになるかが心配だ」と語っている。
州保健局によると、被害者4人は市内の病院に運ばれ、8歳と10歳の少女は軽傷ですぐに退院許可が出たが、11歳の少女は入院中だ。また、15歳の少女は、イタクアケセトゥーバのサンタマルセリーナ病院に転送された。
退院許可が出た10歳の少女はタミーレスさんの娘で、11歳のいとこが事故の瞬間、「気をつけて!」と叫びながら自分を突き飛ばそうとしたと母親らに説明。おばの一人は「あの子(11歳の少女)がいとこを突き飛ばそうとしていなかったら、もう一人重傷の子供が出ていたはず」と語ると共に、助かった少女が事故の事を思い出しては、泣きながら「私のいとこは天使よ。私の命を助けてくれた。私の英雄よ」と繰り返し話しているとも明かしてくれた。
車を運転していたのは現場付近に住む38歳の女性で、子供連れで出かけてビールを数本飲み、自宅に帰ろうとした時にハンドル操作を誤って少女達を撥ねたという。この女性は飲酒運転と傷害罪で起訴される見込みだが、2日に1500レアルを払って保釈された。事故を起こした車は書類の不備もあり、押収されたという。(2、3日付G1サイトより)