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「デカセギに感謝伝えたい」=住金系元社長 馬場さんが集い開く

ニッケイ新聞 2014年2月4日
感謝のあいさつをする馬場元社長(左から2人目)

感謝のあいさつをする馬場元社長(左から2人目)

日鉄住金ステンレス鋼管株式会社(本社・茨城県古河市)の元社長である馬場善禄さん(83、大阪)が初来伯し、「かつてのデカセギ日系人に感謝したい」として「スミキン感謝の集い」を2日夜、サンパウロ市の松原ホテルで行った。

デカセギ経験者としては中野修さん(70、二世)、宮川茂さん(58、二世)が十数年ぶりの再会を果たした他、キリストの幕屋仲間で、開催に協力した鹿田正人さんら関係者が集まった。

馬場さんは「社長だったのは25年前の話。個人情報の取り扱い上、元社長でも難しい」と連絡先不明者が多数存在することを残念がった。「でも、こうした機会を設けられたことには感謝しかない」と話し、和やかに夕食会が催された。

15年前に数カ月勤務経験があるというサンパウロ市在住の中野さんは「馬場さんは厳しい一面を持ちつつ、地元の盆踊りに皆で参加するなど、社員が仲良く働ける環境を整えてくれた。会社をチームとして捉え、上下関係のない職場だった」と感謝した。

5年前まで約10年間、古河工場でデカセギ経験がある宮川さんはパラナ州マリンガ市からわざわざ参加した。「デカセギ労働者を対象に、定期的な懇親会を企画してくれた」と感謝を示し、「単純な作業を学ぶだけでなく、日本の文化、歴史、性格なども学べた」と振り返った。

馬場さんは「多くのデカセギは単純作業をこなすだけでなく、日本のモノ作りに対する熱心な姿勢を現場で学んで欲しい。それを本国に持ち帰り、発展に貢献することが本当の使命ではないか」と願った。