ニッケイ新聞 2014年2月5日
2日夜、ジェラルド・アウキミンサンパウロ州知事の息子と孫娘が乗った車が襲撃を受け、護衛の警備隊と犯罪者が銃の撃ち合いとなる事態が起きた。4日付伯字紙が報じている。
2日午後9時30分頃、知事の息子のトマスさん(30)は9歳になる娘を連れて、妻の実家に向かうべく、車でサンパウロ市南部モルンビ区を通っていた。
ドトール・アルベルト・ペンテアード大通りを通ってマルジナル・ド・ピニェイロスに差し掛かったところで、前方を走っていた盗難車の日産チーダが急停止をかけて道をさえぎった。さらに4人の武装した一味が降りてきて、トマス氏に近づき、その中の1人が「撃て」と2度叫んだ。
トマス氏の車の後方を走っていた護衛車両から軍警4人も降り、そこから犯罪者と軍警が銃撃戦を交し、犯人たちはそのまま逃げた。犯人が乗っていた車は400メートル離れた場所で、血のついた状態で発見されたことから、犯人のうちの誰かが銃撃戦で負傷したと見られる。トマスさんや後部座席にいた孫娘、軍警には怪我はなかった。
この日、トマスさんは夫人の車を運転していたため、防弾装備車ではなかった。
今回の事件で軍警が有力視している説は次の二つ。モルンビ地区で多発しているただの自動車強盗、もしくは州都第一コマンド(PCC)による知事への報復行為だ。アウキミン知事はPCCへの取締を強化していることで知られている。
なお、トマス氏がこうした事件に巻き込まれたのはこれが初めてではない。2002年、アウキミン州知事の第1次政権にも、トマス氏の護衛の軍警2人が銃で撃たれている。04年にはマルジナル・ド・ピニェイロスで車強盗にもあっている。