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ベルリン映画祭が開幕=ブラジル映画とは好相性

ニッケイ新聞 2014年2月6日

カンヌ映画祭、ヴェネツィア映画祭と並んで「世界3大映画祭」のひとつと数えられるベルリン国際映画祭がきょう6日から開催されるが、この映画祭はブラジル映画には非常に相性のいい映画祭として知られており、今年もブラジル映画の健闘が期待されている。

国際的に見て、まだ「映画大国」とは呼べないブラジルであるが、このべルリン映画祭とは縁が深い。1998年には「セントラル・ステーション」が最高賞にあたる金熊賞を受賞し、この作品で評判を得たブラジルが誇る大ベテラン女優、フェルナンダ・モンテネグロが翌99年のアカデミー賞で主演女優賞にノミネートされた。

また、2007年には「トロッパ・ダ・エリッチ」が金熊賞を受賞。リオの特別機動警察を描いたこの映画はシリーズが既に2本製作され、ブラジル国内での興行記録を更新する大ヒットとなったが、この映画を製作したジョゼ・パジーリャは、この2月に映画「ロボコップ」でハリウッドの映画監督としての国際デビューを飾ることにもなっている。

そんなベルリンに、今年もブラジルの作品が金熊賞を争うために参加した。その映画は「ア・プライア・ダ・フトゥーロ(未来の海岸)」で、主演はヴァギネル・モウラ。先の「トロッパ~」では主演のナシメント隊長を演じたことで注目され、昨年、映画「エリシウム」でハリウッド・デビューを果たした、現在のブラジルで人気・実力共にトップの俳優だ。今回の映画はブラジル北部の海岸都市、フォルタレーザを舞台にした作品で、ヴァギネルはドイツに行方をくらます同性愛者の兄の役を演じる。同作の監督は、過去にカンヌやヴェネツィアに参加経験のあるカリム・アイノウズがつとめている。

また、金熊賞への参加資格はないが、今回のベルリンでは、そのほかにも2本のブラジル映画も公開される。「オ・オーメン・ダス・ムルチドンエス(多面的な男)」と「オージ・エウ・ケロ・ヴォルタール・ソジーニョ(今日は1人で帰りたい)」という2本だが、評判次第ではこちらも注目を浴びるかもしれない。

また、今回の金熊賞争いには、日本から「男はつらいよ」などで知られる山田洋次や、フランス映画の巨匠、アラン・レネらも参加している。開催は16日までで、金熊賞をはじめたとした各賞の発表も最終日に行なわれる。