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「チアゴ」から「ラウラ」へ=ゴイアス州の警察官が性転換=「鏡でより自分を実感」

ニッケイ新聞 2014年2月6日

「私は生まれ変わっている途中。私になることを、再び学んでいるところ」――。ゴイアス州出身の〃女性刑事〃ラウラ・デ・カストロ・テイシェイラさんは、性転換手術、顔の整形手術、豊胸手術をした現在、これまでとは180度違う、全く新しい人生を歩んでいる。

鏡を見ては、そこに映る自分の姿に満足感を得る。「鏡で自分の姿を見たら、より自分だっていうことを実感するの。こんな感覚は今までなかった」―と、グローボ局報道番組ファンタスチコの取材に応える。

法律上では性転換手術をしても、ラウラさんは本来の名前チアゴ・デ・カストロ・テイシェイラと呼ばれる。ラウラという名前を正式にするには裁判所の許可が必要だ。

担当のアンドレ・モライス弁護士は「来週には結論が出るはず。彼女が本当に〃ドトーラ・ラウラ〃になる日は近い」と話す。

手術とその後の経過をみるため、半年間の休暇をとった後、新たな職場と新たな名前で仕事に復帰するラウラさん。その新たな配属先というのが、女性向けの特別警察署(Deam)だ。「ドトーラ・ラウラはとても歓迎されると確信しているわ。彼女は、女性向け警察の女性捜査官の一人になるの」とアナ・エリーザ・ゴメス署長は言う。

ゴイアス州市警のダニエル・アドルニ副署長は「(捜査官の性転換は)何の問題もない。署内でも自然なことと受け止められている」と事も無げだ。「問題は警察官の汚職、怠慢であり、市民にも警察署に対しても責任を果たしていない警察官がいることの方が重大。むしろ、(性転換することに決めた)彼女の勇気を誇りに思うし、尊敬する」と理解を示す。

ラウラさんの手術後の変化は、仕事上だけではない。女性用の服を買い揃え、クローゼットの中は一新した。男性用の靴は、徐々にサンダルに変わる。だからと言って、これまで着ていた男物の服は捨てない。隅にまとめて保管しておくという。

家族に手術を受けることを告げたのは、2011年末のことだ。まだチアゴだったその時代、彼女は結婚しており、2人の子供がいた。「彼らに伝えたときは本当に驚いて、ショックも相当なものだったと思う。でも、いつだって理解と支援を得ることができた。いつも私のそばにいてくれたの」。女としての新たな人生の始まりに、ドトーラ・ラウラは胸をはずませている。(2月2日付G1サイトより)