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サンパウロ市地下鉄でパニック=扉の故障が3号線止める

ニッケイ新聞 2014年2月6日

 サンパウロ市の地下鉄3号線で4日、1台の車両の扉の故障が原因で、地下鉄の運行が5時間も停止される事態が発生したと5日付伯字紙が報じた。

 事件のきっかけは、午後6時20分頃、セー駅で起きた扉の故障で、問題を解決する間、他の車両も減速運転や停止を余儀なくされた。扉の故障は10分程度で解決したというが、運行停止中に少なくとも7台の車両で脱出用のボタンが押され、レプブリカからマレシャル・デオドロの3駅間では、乗客が線路に降り、壁沿いの細い通路を歩き出す事態も起きた。

 地下鉄側が安全確保のために電力を切ったために車内の冷房も効かなくなり、混乱は拡大。線路上の乗客がいなくなった午後7時24分頃、運転再開が試みられたが、セー駅などでは怒った乗客が線路に侵入し、警備員らともみ合いが起きた他、窓ガラスを割る、職員に消火器の泡をかけるといった暴力行為も見られ、地下鉄側が運転を再度停止。平常運転に戻ったのは午後11時30分頃だった。

 停止車両には高齢者や妊婦、障害者も居り、地下鉄側はCPTM11号線に乗り換え、通常通り運転されていたイタケーラ~タツアペ間を利用するよう勧めたが、家に帰る方法がないなどの理由で降りようとしなかった人も数百人おり、1号線との接続が回復した10時過ぎに空っぽになったという。