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マイス・メジコス=次々に各種問題が発覚=保健省が自治体取締りへ=補助金支払わず規定違反=キューバ人医師が米国逃亡

ニッケイ新聞 2014年2月12日

【既報関連】連邦政府によれば、医師派遣政策「マイス・メジコス」に要請した全国2100市のうち、キューバ人医師らに対して食費、住居手当、交通費などの補助金を支払わない規定違反をしている市が少なくとも37市あることがわかった。これを受け、アルトゥール・キオーロ保健相はこれら自治体を取り締り、罰則を設けるとエスタード紙10日付けが報じた。その他、同政策を放棄して米国に逃亡したキューバ人医師の存在も報じられ、制度のあり方が問われている。

同相によれば、規定違反をした市に対しては説明のために最大5日間、改善に15日間を猶予するという。通達を受けながらも善処しなかった自治体は、今後プログラムを通じて医師派遣の要請ができなくなる。3月初旬から新たに着任予定の第三次派遣組2900人の受け入れも認められない。

保健省は既に37市に通達。そのうち27が改善し、通達後2カ月経っても改善しなかったリオ・グランデ・ド・ノルテ州セアラミリン市をプログラムから除外した。

同プログラムで派遣されている医師のうち81%がキューバ人だ。他の外国人医師が毎月1万レの給与を受け取っているのに対し、キューバ人医師はブラジル内の口座に毎月900レ余りしか振り込まれていないという。この金額で生活するのは厳しく、市の補助金がないと立ち行かないため規定違反が問題となっている。

同相は今後、米州保健機構(Opas)とともにプログラムの見直しを定期的に行うとした。

一方、パラー州パカジャ市の職場から逃げ出して亡命希望を表明したラモーナ・ロドリゲス医師とは別に、勤務先から1週間前に姿を消し、現在は米国に居るとインターネット上で発表したキューバ人男性医師がいることがわかった。

勤務していたサンパウロ州パリケラ・アスー市を出てプログラムを放棄し、米国に行ったオルテリオ・ジャイメ医師は友人らに「安全の確保のため」と言って逃亡を告げたという。同医師は、近隣のレジストロ市で他の33人の医師とともに歓迎パーティーに参加した後、12月16日に勤務先に到着した。診察していた集落では、仕事ぶりを賞賛されていたという。

保健省によればプログラムを辞退したキューバ人医師はこれまでで22人、17人は健康上の理由、5人は個人的な事情だった。いずれも母国に戻ったとされている。

連邦医療審議会のロベルト・ダヴィラ会長は、この2人の他にも同様のケースがあるとみており、「なぜ今になって表面化したのか」といぶかる。同会長は、審議会はプログラム辞退を希望する医師を保護するキャンペーンを立ち上げると発表している。