ニッケイ新聞 2014年2月12日
連邦政府が干ばつの影響はまだ出ていないと発言する中、国内外では穀物などの減収を懸念した農産物の価格上昇が起きており、カフェや果物の実がならない、牧草が枯れるなどの問題も出ていると11日付エスタード紙が報じた。
9日現在の水力発電所ダム貯水量は2001年以降最悪の37・6%まで低下したが、農業も、穀物や野菜、カフェ、オレンジ、牧畜などで価格上昇などの影響が出始めている。
減収分が価格上昇で埋め合わされそうな大豆の場合、マット・グロッソやロンドニア、パラナなどではヘクタールあたりの収量は55俵以上を確保出来、総収量は8970万トンと見込まれているが、ゴイアス州では15%に相当する140万トンの減収となる見通しだ。パラナ州でも、作付面積の70%に影響が出ると見込んでいる。
トウモロコシは、サンパウロ州、パラナ州北部、ミナス州、ゴイアス州での少雨の影響と減反で、当初予想より5~10%減収となる見込みだ。1月末のシカゴ市場の大豆、トウモロコシ、小麦価格はドル価で5%上昇した。
ミナス州で輸出用のカフェを栽培する農家は、1月初旬からの雨不足で収量は20%減少と見ている。同地域のカフェ価格は32%、ニューヨーク市場でも19%値上がりしたが、「値が良くても量が採れなければ」と農家と顔を曇らせる。
オレンジなどの果物は実が大きくならず、サトウキビも新しく植える地域の土地が乾燥しすぎているなどの影響が出ている。牧畜業では、牧草が枯れて牛が痩せたが、飲ませる水さえないという問題も出ている。
葉野菜類も影響を受けており、セアザ(Ceagesp)では2月第1週の卸売価格が30%も値上がりしたという。