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電力料金4・6%超値上げか=CDEが56億レの赤字予想

ニッケイ新聞 2014年2月13日

 ジウマ大統領は12年9月に発表した電力料金値下げの維持を昨年1月に公約したが、電力料金値下げと少雨に伴う火力発電増加による支出拡大で、動力開発勘定(CDE:エネルギー開発のために電力会社が拠出する基金)の今年の支出は収入を56億レ上回る見込みだ。このため、国家電力庁(Aneel)は11日、今年の一般消費者向け電力料金の価格調整分に加え、平均4・6%を上乗せする可能性があると示唆した。12日付エスタード、フォーリャ両紙が報じた。

 4・6%増は電力会社が定期的に行う価格調整に上乗せされ、インフレに直接インパクトを与える。コンコルディア社の主任エコノミスト、フラビオ・コンバッテ氏は、今年のIPCA(拡大消費者物価指数)は5・9%増とみているが、電気料金の値上げが実行されると、0・4%ポイント上がり、6・3%増となると予想する。

 Aneelによれば、CDEの今年の予算は179億レだが、収入は国庫からの補填90億レ込みで123億レで、56億レの赤字になる。同基金は、「全国民に電気を(Luz Para Todos)」などの低所得者層向けエネルギー政策、火力発電所で使用する燃料費、一昨年、契約を前倒し更新した電力会社への賠償金などに当てられている。

 昨年のCDEの赤字10億2千レは各電力会社が埋め合わせたが、今年はその5倍を埋め合わせる必要がある。

 また、昨今の少雨で南東部や中西部の水力発電所のダム貯水量は2001年以降最低となっているため、コストの高い火力発電所を引き続き稼動させている。今年はその経費が100億レに及ぶ可能性がある。

 政府は、火力発電を多用することが電力料金の高騰に直結しないよう、90億レかかった昨年同様、国庫支出でカバーすることを検討中だが、これは短期的な解決にしかすぎず、長期的に見れば消費者に打撃を与える。

 この平均4・6%の上乗せは公聴会で議題として取り上げられ、3月16日までに変更が加えられる可能性もある。