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報道関係者には危険な国=米州大陸で死者最多のブラジル

ニッケイ新聞 2014年2月14日

 パリに本部を置く非政府団体(NGO)の「国境なき記者団(フランス語での略号はRSF)」が、13年の米州大陸で最も報道関係者の死者が多かったのはブラジルだったと発表したと12日付G1サイトや13日付伯字紙が報じた。

 ブラジルでは昨年、5人のジャーナリストが死亡しており、従来は死者最多だったメキシコと順位が入れ替わったという。

 RSFは、昨年6月に拡大した抗議行動を〃ブラジルの春〃と呼んでおり、6月以降の一連の抗議行動の中で負傷した報道関係者は114人としている。

 13年に起きた抗議行動の中では、警官による強硬な取り締まりも目に付いたとし、負傷した報道関係者の3分の2以上が警官からの暴行を受けたと報告。「〃ブラジルの春〃における軍警のあり方は軍政時代から続く習慣を反映した支配的なメディアモデルを髣髴とさせ、強い懸念を生じさせた」とも発言している。

 RSFは、抗議行動中に爆発物で頭蓋骨陥没の重傷を負ったバンジ局カメラマンのサンチアゴ・アンドラーデ氏が脳死と判定された10日、ブラジル政府に対し、同氏の死に関する責任者を追及するよう要請すると共に、ワールド杯前にしっかりとした対策を採るべきだと進言した。

 RSFは報道の自由に関する世界ランキングも合わせて発表。麻薬密売者らの犯罪者と政府当局の双方から妨害や圧力を受けるブラジルの場合、報道の自由度は、180の国と地域の中で111位と判断された。

 報道の自由度の第1位は4年連続してフィンランドで、最下位は報道の自由は皆無とされたトルクメニスタン、北朝鮮、エリトリアの3国で、177位はシリアだった。