7日にリオで起きたバス料金値上げに反対するマニフェスタソン(抗議行動)中、バンジ局のカメラマン、サンチアゴ・アンドラーデさんの頭部を直撃した爆発物(ロジョン)に点火したとして殺人罪などに問われているカイオ・シウヴァ・デ・ソウザ容疑者(22)が13日、マニフェスタソンへの参加に関して、参加報酬として金銭の受け取りがあったと発言し、波紋が広がっている。14日付伯字紙が報じている。
この発言はカイオ容疑者が刑務所で行ったもので、担当弁護士のジョナス・タデウ・ヌーネス氏が事前に語っていた「抗議行動参加者に金銭が払われていた」との発言を再確認したことになる。それによると、マニフェスタソン参加者には最大150レアルが支払われていたという。
カイオ容疑者は「抗議行動の場に党の旗を持って参加した政党も参加報酬の一部を払っていたに違いない」とし、抗議行動中、党の旗が上がっていた政党として、社会自由党(PSOL)、統一社会労働党(PSTU)、大衆独立前線(FIP)の3党の名前をあげたが、資金の出所などの詳細は知らないと発言している。
この供述に対し、PSOLとPSTUは共に否定する声明を文書で発表した。特にPSTUは、「わが党は、社会運動への参加に雇用の原理を適用するのに反対した唯一の左翼政党だ」と称し、抗議行動参加者に金を支払ったという証言について厳密に捜査するよう要請した。
またカイオ容疑者は、今回の抗議行動にも参加した活動家のエルザ・クァドロス氏(通称シニーニョ)を支払いに関与している人物としてあげた。供述によると、過去の抗議行動でフェイスブック上に掲載された会計明細でシニーニョ氏の名前を見たという。
昨年12月23日に「オクパ・カマラ」という団体が「マイス・アモール、メノス・カピタウ」という標題を掲げて行ったイベントの際、シニーニョ氏らの呼びかけに応じて寄付をした11人のリストには、PSOL所属の市会議員のレナート・シンコ氏とジェフェルソン・モウラ氏の名前や、警察官と判事各1人の名前が記されていた。
このイベントは非暴力的なもので献金も合法的なものとされている。シニーニョ氏自身は、この団体や政党とのつながりを否定している。
13日午前にはリオでサンチアゴさんの火葬前式が行なわれたが、夫人のアルリタさんは、カイオ容疑者と同容疑者にロジョンを渡したとして逮捕された刺青師のファビオ・ラポーゾ容疑者の2人に「愛がないことが残念だ」と嘆いた。