そろそろワールドカップに向けての代表選手が誰になるかが気になるところではあるが、ブラジルのサッカーは国内大会も盛り上がりを見せている。16日、「パウリスタン」ことサンパウロ州選手権は折り返し地点の第8節を終えた。
コリンチャンス、パルメイラス、サンパウロ、サントスという、いずれも南米一に輝いた経験を持つ「サンパウロ州4強」が参加するパウリスタンは、今年からルールが変更された。これまでは20チームが1試合ずつ総当りの19試合制だったところが、今年は20チームが5チームずつの4グループに分かれ、同じグループには属さない残りの15チームと試合を行なう、という変則的なものだ。
これは、前記の「4強」が同じチームにならないように配慮され、グループ内2位以上であれば、その先の決勝トーナメントに進出できるという仕組み。つまり「4強」が勝ち抜けしやすいためのルールだった。だが、そこは無名チームでも決して侮れない強さを誇るサンパウロ州のサッカー・チーム。そんなにうまく事は運ばない。
まずグループAだが、ここでは、サンパウロが現在第2位に甘んじている。サンパウロに勝ち点差2をつけて1位となっているのはペナポレンセだ。同チームは全国選手権では4部に過ぎない無名チームだが、16日に行なわれたサントス戦では4―1で大勝するなど、台風の目となっている。
そして、まさかの展開となっているのがグループBだ。ここでは昨年の覇者コリンチャンスが、2位に勝ち点差で7点離され、グループ最下位に甘んじている。第3節からの4連敗が響いた形となっている。同グループ1位のボタフォゴ・サンパウロは全国選手権4部、2位のイトゥアノに至っては全国選手権の登録さえされていないチームだ。だが、さすがのコリンチャンスでも残り7試合を連勝続きで行かないと逆転は難しい。
グループCは、サントスが、16日の大敗は意外ではあったものの、6勝1敗1分で独走状態だ。ここは昨年の全国選手権で1部(14年は2部降格)だったポンテ・プレッタとポルトゲーザが入る激戦区だが、現在この両チームを抑えて2位になっているのがサンベルナルド。このチームも全国選手権登録のない無名のチームだ。
他のサンパウロ州の強豪が苦しむ間、快調に飛ばしているのがグループDのパルメイラスだ。12年に屈辱となる全国選手権2部落ちとなったが、13年に2部優勝で1部復帰。さらにチーム創立100周年という記念の年で、チームが一丸となっているパルメイラスは、開幕から唯一負けなしの6勝2分で2位のブラガンチーノ(全国選手権2部)に7点差をつける独走状態だ。
このままパルメイラスやサントス、そして無名の伏兵有利のままに進むのか。あるいはコリンチャンスやサンパウロの挽回はあるのか。決勝トーナメント前までの残り7試合が注目される。