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多角化続くウルトラG=燃料販売から薬局、倉庫

ニッケイ新聞 2014年2月18日

「イピランガのガソリンスタンドで訊いてごらん」―。テレビの宣伝ですっかりお馴染みになったフレーズは、1937年に台所用のガス配給会社として始まったウルトラグループの変革を表す一言だ。

ウルトラグループの事業の始まりは、ガス配給会社のウルトラガスで、現在も台所用のガス供給ではブラジル一の規模を誇っている。

また、グループの売り上げの90%を占めているのは、2007年に買収したイピランガの商標で知られる全国第2の燃料配給会社で、2012年の売上総額539億レアルの内、466億レアルはイピランガによるものだ。2008年にはTexcoも買収、同社傘下のガソリンスタンドは全国6500店舗で、燃料市場では、ペトロブラス社傘下のBRディストリブイドーラの47・1%に次ぐ24・8%のシェアを占めている。

同社のガソリンスタンドは、am/pmの名前で知られるコンビニ1400店舗、ジャット・オイルの名前で知られるオイル交換店1100店舗を併設してより広く顧客を確保。走行キロに応じたサービスへの登録者数は1400万人に上り、高速道路や駐車場で使えるプリペイドカードの発行なども行っている。

エチレンオキシドとその派生品の生産ではラテンアメリカでも有数の化学製品製造会社Oxitenoは、国際企業化を目指すウルトラグループの目玉で、メキシコに進出して足場を固めた後、2012年にテキサス州パサデナとウルグアイにも進出した。

一方、固体以外の液体や粉体のものを大量にばらの状態で保存・輸送するウルトラカルゴは国内最大規模で、北部と北東部に販売網を持つエストラファルマは国内でも十指に入る薬局だ。現在は南部に販売網を持つPanvelと良い関係を築いており、北東部での販売網強化を視野に別の薬局との提携や買収も考えているという。

ウルトラグループは食の分野にも進出する予定で、高速道路を利用する人々に、家族連れで利用できる質の高いレストランや広くてきれいなトイレを備えたサービスエリアを提供する事で、高速道路利用者の増加や顧客獲得を目指す。

同グループの理念は、燃料販売などでこれまでに獲得したテリトリーの中に居る、またはテリトリーに入ってくる顧客をより広範囲に獲得していく事で、業務提携した企業やガソリンスタンドには、顧客の満足を引き出し、新しい顧客を獲得出来るよう、店舗の改修なども求めている。

より広い層の顧客を獲得し、消費者により密着したサービスと製品を提供するため、ウルトラグループはマーケティングに力を入れ、多角経営への道を突き進んでいる。(17日付エスタード紙より)