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ブラジルに景気後退の恐れ?=中銀指数で2期連続縮小=今年は高インフレ低成長か

ニッケイ新聞 2014年2月18日

中央銀行が14日、13年の第4四半期の国内総生産(GDP)は第3四半期比0・17%縮小と発表した。同行の経済活動指数(IBC―Br)では第3四半期も前期比0・21%縮小しており、ブラジル経済が〃リセッション〃に入る可能性もあると15日付伯字紙が報じた。

〃リセッション〃は経済活動の後退を意味し、経済の先行きに対する不安や不信感が増して消費も減退、銀行は融資を手控え、企業も雇用を差し控えるといった現象が起きる事が多い。そのため、失業率が高まる上、所得の縮小に伴ってインフレも低下する。

第4四半期の経済活動が思いのほか下火だった事は、12日付エスタード紙が報じた、工業部門の雇用は2年連続で縮小という記事や、14日付同紙が報じた、小売販売が過去10年で最悪の伸びだったという記事からも予想されていた。14日付の記事には、12月の小売販売は前月比0・2%減となって市場関係者を驚かせたとあり、12月の経済活動は10部門中6部門が縮小しているため、第4四半期のGDPの伸びは予想を下回り、「リセッションとなる可能性が排除しきれない」との市場関係者の言葉も出ていた。

だが、現在のブラジルの場合、失業率は08~09年の景気後退の時のように上がっておらず、家族収入の縮小も起きていないし、インフレはむしろ昂進の可能性大だ。

また、最近は、地理統計院(IBGE)が発表する指数を先取りしているとされていた中銀の指数が、IBGEと異なる傾向を示す事も増えており、2期連続の経済縮小となるか微妙な情勢だ。中銀による13年の通年の経済成長率は2・52%となっている。

IBGEの指数は27日に発表される予定で、市場関係者の中には、第4四半期のGDPは前期比0・6%増という数字が出るとの見方がある。IBGEが発表した第3四半期の成長率はマイナス0・5%だった。

ただ、13年後半の経済活動の伸びが期待を裏切ったとの見方は市場関係者の大半が持っており、第4四半期のGDPは前期比0・1~0・4%程度の成長との見方が一般的なようだ。

14年の経済活動に関しては、波型ダンボールの生産や車の販売が上向いてきており、猛暑を受けた空調製品や飲料の売り上げも好調な事から、上手くいけば第1四半期から回復基調に乗るという見方もある。

ただし、中銀が17日に発表した14年度の予想では、GDPの伸びが先週発表の1・9%から1・79%に下方修正された一方、インフレは5・89%が5・93%に上方修正され、高インフレ、低成長との見方が一層強まっている。