昨年6月のコンフェデ杯では、レシフェでも試合が行われた。その時、同市内から19キロのサンロウレンソ・ダ・マタ市にある試合会場「アレーナ・ペルナンブコ」に向かう観客には、メトロを使うか、あるいは車で行って周辺の駐車場に止めるか、という二つの方法が示された。
問題は、このスタジアムの最寄り駅コスメ・ダミアォン駅が地元住民のみの利用を想定して造られており、利用可能人数は1日約3千人であったことだ。
毎日同駅を利用する学生のクラウディラネ・ロペスさんは、「電車の中は混んでいるけど、駅自体は快適。前はサンロウレンソまではバスを乗り継いで行く必要があって、時間が短縮された」と、毎日使う分には満足のよう。
しかし、同杯の最初の試合日には、全観客の75%にあたる2万5千人がメトロを使ったため、プラットフォームは押し合い圧し合いとなり、大混乱に見舞われた。
当時、ペルナンブコ連邦大学のフェルナンド・ジョルドン教授はG1の取材に、「大イベントで見込まれる観客数に見合った大きさの駅ではない」と指摘していた。
プラットフォームは長さ100メートルに3・5メートルの幅で、他の駅と同じ標準的なサイズだが、問題は駅に入るのにも出るのにも、一つずつしか通路がないことだ。それも幅4メートルで、2・5メートル幅の階段があるため、余計に狭くなっている。
レシフェのメトロ公社(Metrorec)は昨年12月、「駅構内に二つのスロープ、二つのエスカレーターを設置することで、既にある階段とエレベーター以外に出口への道筋を造る方針」だとした。しかし、その工事は少なくとも11月までは始まっていなかった。
同公社は書面で、「まだ契約を結んでいる段階で費用も把握できない状態。工事開始の時期は未定だが、W杯までには完成させる」とコメントしていた。
また、コンフェデ杯での観客のもう一つの不満は、会場から自宅、あるいは滞在先まで帰るのにかなりの時間を要した、ということだ。駅にたどり着いてからも、会場まで行くにはバスに乗らねばならなかったが、帰りにそのバスに乗るのに長蛇の列ができていたという。
州のW杯特別局(Secopa‐PE)はバスとメトロの接続の悪さと改善の必要性を認めており、リカルド・レイトン同局長は昨年11月の記者会見で、「駅構内の工事だけでなく、試合後もスタジアムから少しの間観客をとどめておくようなアトラクションを設置することも考えている」と話している。
また、車で行く人を増やすため、駐車場の選択肢を増やすことも検討しているという。具体的には、食料配給センター(Ceasa)、連邦裁判所、展示場などの駐車場に車を止められるようにし、そこからスタジアムまで行くバスを出すという計画だそうだ。(12月11日付G1サイトより)