10月の大統領選への立候補が有力視されているエドゥアルド・カンポス氏が党首をつとめるブラジル社会党(PSB)が、連邦最高裁のジョアキン・バルボーザ長官を上院議員候補として出馬させる意向があると、18日付エスタード紙が報じている。
新党・持続ネットワーク(RS)の承認が難しくなり、昨年10月5日に大統領選候補と見なされていたマリーナ・シウヴァ氏を電撃移籍させて世間を驚かせた同党が、次なるサプライズとしてバルボーザ長官の上院選出馬を考えていることが明らかとなった。
バルボーザ長官は12年のメンサロン裁判の報告官として、元官房長官や元与党党首、元下院議長といった大物政治家たちに厳しい刑を求め、それを実現させたことで、マスコミや国民からヒーローと称えられた。昨年6月に起きた全国規模のマニフェスタソンの際には、「次の大統領に」と望む声も小さなものではなかった。
バルボーザ長官は既に今月15日に大統領選挙への出馬は否定している。また、長官の気持ちの中には、メンサロン裁判の判事投票で接戦になった件での上告裁判を最後まで成し遂げたい、という気持ちも強いとされている。PSBは実際に昨年11月19日に、リオ支部長のロマーリオ・ファリアス下議を通じてバルボーザ長官に入党を依頼したが、断られている。
だが、バルボーザ長官が政界入りを完全に否定しているとも思われていない。同長官は常々、「70歳の定年まで最高裁にはいないだろう」と語っている。同長官は現在59歳で、定年にはまだ時間もある。長官職の任期は今年の11月までで、後任は現副長官のリカルド・レヴァンドウスキー氏が有力視されているが、メンサロン裁判以来、同長官と同氏との対立や不仲は度々伝えられており、定年前に最高裁を去る可能性はある。
PSB党員によると、カンポス氏はバルボーザ長官の政治に関する考え方に高い関心を抱いているという。カンポス氏は、同長官との接触をはかるべく、2010~12年に、全国の裁判所の判事の不正を暴いて話題を呼んだ、元国家監察官のエリアナ・カウモン元高等裁判所判事を説得役に当たらせたいとしている。カウモン氏は、この10月に同党からバイーア州の上院選に出馬予定だ。
だが現時点で、カウモン氏はまだバルボーザ長官と接触が取れていない。PSBが同長官を実際に上院選に出馬させるには、選挙の半年前の4月5日までに同党への入党を実現させなくてはならない。