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サンパウロ市で薬物の〃フェイラ〃=警察の諜報部局が取締りへ

ニッケイ新聞 2014年2月19日

 サンパウロ市メトロのコンソラソン駅からアウグスタ通りをセントロ方面に下ったペイショット・ゴミデ通りの一区画で、8、9日夜、マリファナ、コカイン、LSDなど各種ドラッグの〃フェイラ〃が行われる様子を16日付エスタード紙が報じたことで、軍警、市警の諜報部が捜査に乗り出すことになった。

 同通りでのドラッグ販売は一般商店が営業を終えた午後10時頃から始まり、「コカイーナ、バリーニャ(エクスタシー)、ドッセ(LSD)!」などと口々に叫ぶ声が明け方まで響く。サルガードなどと一緒にドラッグを持った密売人は、堂々と通行人に近づき、声をかける。この付近での密売は昨年末から金曜、土曜の夜を中心に行われているという。

 通りに座り込んで買ったばかりのドラッグをカトゥアバやウォッカ片手にその場で吸引し、失神状態に陥っている若者がそこここにいる。

 主な密売の場所となっているのは繁華街のアウグスタ通り、フレイ・カネカ通りの間にある一区画で、ナイトクラブに入れない未成年の若者が屯している場所だ。

 フェルナンド・グレラ州保安局長によれば、サンパウロ州市警麻薬捜査課は既にこの地域をマークしており、昨年は60人、今年も既に15人の密売人を取り押さえたという。

 18日付同紙によれば、軍警は麻薬捜査課と協力し、私服警官を配置して密売の場所の特定と密売人検挙を図り、取り締まりに当たる方針だ。

 ジェラルド・アウキミン州知事は「(同通りに屯する)ドラッグ常用者を支援する方法を検討している」と述べたが、具体的な対策の時期などは明言を避けている。

 しかしこの警察の取り締まりに対して、専門家は否定的な見方を示す。カンピーナス州立大学の精神科医ルイス・フェルナンド・トフォリ教授は「15年前とは違い、中流階級の若者がナイトクラブでマリファナやコカインを吸うのは普通のこと」と指摘した上、「こういう若者を依存者、無法者として扱うべきではない。彼らはただ購入しているだけ。ドラッグを大量摂取すると危険だと理解させることが重要」と話している。