ニッケイ新聞 2014年2月19日
2012年に創設85周年を迎えたサンパウロ総合大学(USP)医学部のスポーツ部AAAOC(Associacao Atletica Academica Oswaldo Cruz)で、1956年に発足した野球クラブの軌跡や関係者の証言をまとめた記念誌『栄光と永遠の瞬間』(Glorias e Momentos Eternos – O Beisebol da MED USP)が昨年末に発刊された。
2012年は、医学部創設100周年の年でもあり、32年間同クラブの監督を務めたテツオ・スゴウさんが2011年に亡くなったことから、オメナージェンとして制作が決まった。
AAAOCはサンパウロ市西部ピニェイロス区に本部を置き、野球クラブの現在の所属選手は14人。6割が日系人で、メンバーのリカルド・キリハラ選手はジュニアのブラジル代表チームに招集された。
野球部門が発足した56年の翌年、サンパウロ大学スポーツ連盟(Fupe)が主催する大学野球選手権に出場して公式戦デビュー。以降日系人だけでなく多くのブラジル人選手も活動した。
記念誌は128頁。日系人を中心とした創設以来のクラブの役員らに加え、医学部教授、州や連邦のスポーツ団体指導者、野球のブラジル代表メンバーとなった元選手、続正剛元保健相らの証言が集められ、当時の写真とともにクラブの歴史が記されている。
報告のため来社した尾崎ミルトン医師(三世)は「85年の歴史を、クラブ関係者だけでなく、大学のスポーツクラブ界で共有すべきブラジル野球界の貴重な歴史」と語った。
書籍は50レ。購入希望者は直接本部(11・3082・8775)まで問い合わせを。