ニッケイ新聞 2014年2月19日
『社会に開かれた日語教育を』連載で紹介した松原教授は、日語を学ぶ日系大学生の動機は「日系の顔をしているのに日本語が話せないと恥ずかしいから」といった世間体に後押しされている例があると著書に書く。「日本語が完全なる外国語になりつつある現代社会においても、まだ継承語として、日本語ができないことで日系としてのアイデンティティ交渉に不利な面があると感じる人がいるのだろうか~」とも。
日本のデカセギ子弟の中で、母語であるポ語を忘れた若い人のうち、高い割合でポ語を学びなおしたいと学ぶ人がいる。子どもの頃は嫌でも、成人して改めて深く自分と向き合ったとき、初めて継承語を学ぶ意欲が湧いてくるものらしい。
当地でも「日系顔しているから」という受身な理由だけでなく、深くルーツと向き合う中で日本語を学ぼうする人も多いに違いない。(宮)