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PAC2は3年で82%=予定より早いと自画自賛=国庫庁の指摘は馬耳東風

ニッケイ新聞 2014年2月20日
3年目の報告を行うマンテガ財相(中央)とベルキオリ企画相(左)(Marcelo Camargo/Agencia Brasil)

3年目の報告を行うマンテガ財相(中央)とベルキオリ企画相(左)(Marcelo Camargo/Agencia Brasil)

連邦政府が18日、2011~14年実施の第2期経済活性化計画(PAC2)は第3年次終了時点での遂行率が82・3%、投資金額も全体予算の76・1%に当たる5830億レアルに達したとの報告を行った。

政府公式サイトによると、エネルギーや物流インフラ、社会事業、市街化関連の事業は昨年末までに全体の82・3%が遂行され、3年次末までに75%との目標を超えた。昨年は前年比12%増の3010億レアルを投じ、累積投資は830億レアルとなった。

PAC2での雇用増は3万人超で、スアッペ港総合開発中のペルナンブコ州イポジュカは過去6年で正式雇用が214%増(州平均は42%)。ベロ・モンテ水力発電所があるパラー州アウタミラは571%(州平均は30%)増えた。雇用面での経済効果は、昨年末の失業率4・3%という数字にも表れている。

雇用増を伴う成長はエネルギー部門などで顕著で、発電能力3750メガワットのジラウと3150メガワットのサントアントニオの両水力発電所が初期稼動で計1276メガワットを発電するなど、発電能力が計1万200メガワット向上した。マデイラ~ポルト・ヴェーリョ~アララクアラ間の送電線敷設完了など、9828キロの送電線を延長、32の変電所建設も行われた。石油天然ガス部門では26の探査・生産計画が完了し、タンカーや採掘船など大型船4隻が納入された。完成した石油精製所は18、肥料製造や天然ガス処理施設は8、再生可能燃料精製所も二つある。

国道延長は3080キロ。レシフェ港湾ターミナルやサントス港へのアクセス用道路建設、ヴィトリア港の商用岸壁修復などが進み、空港の収容人数は22の計画実施で1500万人増えた。

持ち家政策ミーニャ・カーザ、ミーニャ・ヴィダは151万戸を開放。PACの累積は320万戸、内224万戸が第2期の実績だ。電力普及計画では3年間で45万5千世帯に電気が点った。

サンフランシスコ川疎水計画は全線で工事が進行。市街化では、南大河州ノヴォ・アンブルゴ~サンレオポルド間の列車やポルト・アレグレの空港直行電車建設などに500億レアルを投入し、3年間の累積は1430億レアルとなった。

政府発表は肯定的な数字のみだが、17日付エスタード紙は、PACを通して自治体に寄贈される農地開発や灌漑対策用のショベルカーや地ならし機などに関し、国庫庁が問題提起をしたと報じた。ジウマ大統領が連日の様に自治体に届けている機材の管理や扱う人材養成に不備があり、贈呈基準も不明瞭というが、大統領は同日、政府の責任は寄贈するところまででその後の管理は自治体の責任と反論している。