ニッケイ新聞 2014年2月21日
【既報関連】ロシアのソチ冬季五輪で女子のスキー・ジャンプ部門に出場する予定だったブラジル人ライス・ソウザ選手(25)が先月27日、遠征先の米国ユタ州ソルトレークシティでの練習中に転倒し、頚椎を損傷する大怪我を負ったが、ブラジルオリンピック委員会(COB)は20日、同選手が、入院していたマイアミ大学病院の救急治療室を出たと伝えた。
同委員会によれば、ライス選手は3週間余りに及んだ治療の中で順調な回復を見せ、容態は安定しているという。手術を担当したアントニオ・マルトス医師によれば、同選手は気道切開によって気道確保をしている状態で、「補助器なしで呼吸ができるようになったのは、大きな一歩だ」と話している。
ライス選手の退院の見込みはまだ立っていないが、マルトス医師は「回復は驚異的で、考え方もポジティブ。今まで担当した患者の中で彼女は最も強いよ」と驚きを隠せない様子だ。
同選手はもともと体操出身で、2004年のアテネ五輪、08年の北京五輪にそれぞれ16歳、20歳で出場した。
しかし12年のロンドン五輪には怪我で出場が適わず、翌年にブラジルオリンピック委員会の勧めでスキーのジャンプへ転向。体操で培った体験を活かし、早々にソチ五輪への出場権を獲得していた。(20日付エスタード紙電子版より)