ニッケイ新聞 2014年2月26日
サンパウロ市の日系コレジオ「アルモニア学園」で日本語教師をつとめるルシアナ・フォンセカ・デ・アルーダさん(26)が、先月12日から約2週間訪日し、ホームステイしながら研修を行った。日伯教育機構と日本ブラジル中央協会(東京都)の共催による、初の研修事業となった。
同機構は日系学校の支援・強化を図るため、07年に発足した団体で、12年から同協会が日本側の窓口となっている。現会員校はスザノ日伯学園、アルモニア学園、赤間学院、大志万学院、越知日伯学園、エスコーラ・ニッケイの6校。
日本での実体験を持たない二、三世や非日系が学校の主力を担うことから、「日本を訪れて近年の日本文化に触れ、日本語運用能力を高めてほしい」(小松雹玄事務局長)と企画された。飛行機代を除く費用は、両団体が資金を出し合った。
ルシアナさんは都内の小学校や保育園、幼稚園を訪問し、道徳教育やしつけ等の様子を視察したほか、大相撲、歌舞伎、ジブリ美術館、成人式、どんど焼きなどを見学した。訪問先の学校でブラジルを紹介する授業も行った。
ルシアナさんは研修を振り返り、「日本式の教育を体験できた、とても密度の濃い時間だった。日々の生活の中で私に伝えられた日本人に内在する価値観は、これから私の学校にも伝えていきたい」と語った。
日伯中央協会は、今後も同研修を続ける意向を示しているという。小松事務局長も「成果次第で、来年以降も続けたい」と話した。