6月12日から始まるサッカーのワールドカップの入場券を手に入れたから、アレーナに近いアパートか民家を借りたいという人は、1日で1月分の家賃を請求される例もありうる。
サンパウロ市に住むアメリカ人のエリザベス・ヘロンスウィートさん(27)は、米国から来る家族と共にリオ・グランデ・ド・スル州ポルト・アレグレでの試合を観るため、アレーナ・ベイラ・リオから1キロのところにある3寝室のアパートを5日間、7千レアルで借りた。
アパートを借りたのは家族全員が泊まれるホテルを借りたらもっと高くつくと考えたからで、同期間中、家族で泊まれるホテルは、1泊2千レアルを下らないという。
W杯向けの借家は国内外からアクセス可能なサイトに登録され、利用希望者はインターネットで予約後、指定された口座に料金を前払いする。料金を受け取った仲介業者は、コミッションを引いた上で家主に送金する。
ポルト・アレグレ在住の公務員、ファビオ・ノゲイラさんは、アレーナから2キロのところにあるアパートを、15日間1万6千レアルで貸し出す。ファビオさんはこの期間中、家族と共に実家で過ごす予定だ。
同じような事はアレーナ・フォンテ・ノヴァがあるバイア州サルバドールでも起きている。セーザル・ムニスさんは、自宅の2階に増設したトイレと台所付の部屋を貸し出す予定だ。
セーザルさんが住む通りには、「家やアパート貸します」という看板が6枚もかかっている。同市ではアレーナに近いアパートの家賃は4万5千レアルに達する可能性があるという。
パラナ州クリチバのシウヴァネ・シウヴァさん(50)も家賃による特別収入を夢見る一人で、アレーナから約5キロのところにある5寝室の家を1泊5500レアルで貸し出す予定だ。
サンパウロ市のアレーナ・コリンチャンス(通称イタケロン)周辺も家賃が高騰しており、カチタ不動産役員のシウヴィオ・ジョゼ・ゴンサルヴェスさんによれば、W杯期間中の借家契約10件の中には、通常料金の120%増しという例もあるという。
一方、これと対照的なのは各国チームのキャンプ地で、12カ国の代表チームがキャンプを張る地方都市10市にある36のホテルに訊ねたところ、6月12日から7月13日にかけての宿泊の予約が増えたホテルはわずか10%のみ。
現時点で宿泊客の明らかな増加が確認されたのは、日本チームが宿泊するサンパウロ州イトゥーとイタリアチームが宿泊するリオデジャネイロ州マンガラチバ、韓国チームが宿泊するパラナ州フォス・ド・イグアスの3市だけで、それ以外の市では、取材のための記者やイベントとは無関係の業務目的の宿泊者の予約が入っているだけで、特別な需要増は見られないという。
今後の動向が見込まれる唯一の例外は、アルゼンチンチームが宿泊するミナス・ジェライス州のヴェスパジアノで、大半の都市では、各国チームがキャンプを張るという理由だけで観光客が増える可能性は実質的にないようだ。(4日付フォーリャ紙より)