【既報関連】民主運動党(PMDB)下院リーダー、エドゥアルド・クーニャ下議の「労働者党(PT)との連立を再考したい」との発言を受け、ルーラ前大統領とジウマ大統領をはじめとしたPT首脳がブラジリアの大統領官邸で緊急会議を行った。だが、PMDBの不満は大きく、問題は長引きそうだ。6日付伯字紙が報じている。
5日の会議に参加したのはジウマ大統領とルーラ前大統領、ルイ・ファルコンPT党首、アロイージオ・メルカダンテ官房長官、ジョアン・サンタナ選挙参謀などで、午後5時30分から2時間ほど行なわれた。
会議では、クーニャ下議の発言がどのくらい本気なのかはかりかねるという結論に達し、ジウマ大統領が同下議の問題に正面から向かい合うのを避ける方針で行くことが確認された。また、会議後はルーラ財団がツイッターで、ルーラ氏とジウマ大統領が笑顔でこぶしを握り合う写真を発表した。これは最近、ルーラ氏がジウマ政権の運営に不満を抱いているとの噂を払拭するためだ。
クーニャ下議の発言を受け、PMDBの首脳も事態収拾にむけて動きはじめている。ミシェル・テメル副大統領は5日、党内の親しい議員たちにこの問題はPTとの連立を壊しかねないとして、何とか沈静化するよう訴えた。また、エンリケ・アウヴェス下院議長も「この困難は乗り越えられる」と語った。
だが、クーニャ氏の発言の波紋はさらに広がっている。同党党首のヴァルジール・ラウプ上議は5日、PTに関して「支持できない情況になってきている」と語り、「このままではPMDBの反乱は上院にも及ぶ可能性がある」と語った。
PTとPMDBの対立の発端は、10月の知事選に伴う内閣改造と、知事選に関してのPTのかけ引きにPMDBが不満を抱いたことだった。
PMDBはこの改造で5人の大臣を望んでいたが、ジウマ大統領は同党から1人の選出しか望んでいないとされている。しかもその1人と目されているエウニーシオ・オリヴェイラ上議にしても、真の目的は、同党が望んでいる同上議のセアラー州知事選への出馬を、昨年から新しくPTの連立与党となった社会秩序共和党(PROS)所属のシジ・ゴメス現知事の再選支援のために断念させることにある。
これに加え、5日付本紙でも報じたように、PMDBが長きに渡り地盤にしてきているリオ州でも、PTが知事職にリンドベルク・ファリアス上議を出馬させる意向で、現リオ州政府から局員を総引上げさせたことも問題となった。
クーニャ下議は、当初は7月に行なわれるはずだったジウマ大統領再選のための連立の判断を今行なうよう求めている。テメル副大統領としてはこれに伴う党内投票の実施を避けたい意向だ。同党では3分の1が連立に反対と言われている。
PMDBは下院2位、上院1位の議員数を誇るPTにとって最大の連立党だけに、何としても離脱は避けたいところだ。