2013年の雇用創出の実態を地域別に分析した結果、全国9州では内陸部での雇用創出が州都とその周辺での雇用創出を上回ったと5日付エスタード紙が報じた。
全就労・失業者台帳(Caged)を解析したところ、パラー、セアラー、ペルナンブコ、バイア、ミナス・ジェライス、リオ、サンパウロ、パラナ、リオ・グランデ・ド・スルの9州での内陸部の雇用創出は34万881人だったのに対し、州都やその周辺部での雇用創出は21万1190人だった。
この数字は各企業が規定された期日内に採用と解雇の報告を行った統計に基づくもので、全国は網羅していない。だが、9州の雇用創出数は計55万2071人で、13年の総計73万687人の75・5%に相当し、全国的にも意味のある傾向と見られている。
企業からの情報が期日内に報告されなかった分も含めた雇用創出の統計でも、内陸部46万5542人に対し大州都圏33万1229人で、同様の傾向が確認された。
雇用創出の内訳を工業、建設、商業、サービス、農業の5部門で見ると、農業以外の4部門で内陸部の方が大州都圏より雇用創出が多かった。農業は大州都圏2500人減、内陸部2万3800人減で、都市部での農業従事者が元々少ないため、内陸部での雇用創出の落ち込みがより大きな数字となったようだ。
内陸部での雇用創出増加は2010年頃から確認され、雇用創出全体に占める割合も42・8%から61・7%に拡大。その理由は、食品加工工場や自動車工場の内陸部進出や政府の持ち家政策ミーニャ・カーザ、ミーニャ・ヴィダによる家屋建設が内陸部にも及び始めた事、内陸部の人口増加などにあるようだ。
大都市での雇用創出鈍化は地理統計院(IBGE)の月間雇用調査でも明らかで、13年の雇用増は、非正規も含め、統計史上最低の前年比0・7%増に止まった。
都市部での雇用創出鈍化には、大学や専門コースで学ぶ若者や仕事も勉強もしていない若者が増え、若年層の求職者数が減っている事も関係していると見られる。
3日付エスタード紙によると、少子高齢化で生産年齢人口(PIA)に占める若者の比率が低下している事や、国際的な金融危機以降、より高度な学びや技術をと考える若者が増え、労働市場に加わる若者の数が減っているという。
若い労働者の減少は技術や経験もある高齢者の雇用にも繋がり、給与所得の平均を向上させる効果もある。この事も、子供が小さい内から働く必要がより小さくなり、更に上の学歴やより高い収入を望む人が増える事にも繋がっている。