国際サッカー連盟(FIFA)のジョセフ・ブラッター会長が、ブラジルのワールドカップの準備の遅れやジウマ大統領に対する不満を漏らしていることが連日報道されている。6~7日付伯字紙が報じている。
6日付伯字紙によると、同会長は先週末発行されたスイスの「24時間新聞」の取材に、「私が1975年にFIFAの仕事をはじめて以来、こんなに準備の遅れているW杯は見たことがない」と語った。
この報道を受け、連邦政府は6日に遺憾の意を表明した。政府は、ブラッター会長の発言が、FIFAと政府、ブラジル・サッカー連盟(CBF)、W杯現地組織委員会(COL)との間に結んだ「2014年6月まではW杯に関して中傷めいた発言は行なわない」という協約を無視したことに不満を抱いた。
ジウマ大統領の反応に対しブラッター会長は、これ以上政府との関係が悪化しないよう態度を軟化し、「ブラジルは、最も良いW杯大会のホストになるだろう」と語気を明るいものに変えた。
一方、7日付エスタード紙によれば、ブラッター会長がブラジル代表のフェリポン監督に、ジウマ大統領に関する愚痴とも取れる発言をしていたことが、FIFA関係者への取材で明らかとなった。これは昨年8月、ブラジル代表がスイスと親善試合を行なった際の出来事で、ブラッター会長は、ジウマ大統領がコンフェデ杯決勝戦の際にスタジアムに不在だったことや、同杯の試合当日に起きたマニフェスタソンへの対策が遅れたこと、コンフェデ杯に対するブラジル側の明確な約束がなかったことへの不満を同監督に語ったという。また、ジウマ大統領は同杯期間中、同会長とリオで1度顔を合わせただけで、FIFAが大統領に対する苦情の手紙を送った際も返事を出さなかったことも「態度が横柄だ」とFIFA側に受け止められている。
W杯=FIFA会長が不満を表明=準備の遅れからジウマまで
ニッケイ新聞 2014年1月8日