米国の経済通信社ブルームバーグが発表したデータによると、「世界で最も資産価値の高い企業500傑」に入っているブラジル企業の数が減少していることがわかった。さらに、この500傑入りした企業の中の「この1年で最も価値の落ちた企業10傑」に、ブラジル企業が四つも入っていたことも明らかとなった。10日付伯字紙が報じている。
「世界で最も資産価値の高い企業500傑」のランキングは毎年3月にブルームバーグが発表しているもので、今年の場合、ブラジル企業で最高位を記録したのは飲料水メーカーのアンベヴ(Ambev)の61位で、株式時価総額は1140億ドルだった。以下、121位にペトロブラス、134位にヴァーレ、142位にイタウ銀行と続き、あともう2企業の全部で6企業が500位以内にランクインしたが、昨年は10企業が500傑に入っていた。
さらに、これら500企業の中で、この12カ月で株価総額が最も落ちた上位10企業を抽出した場合、そこにブラジル企業が4企業入っていることも明らかとなった。
ブラジル企業で損失額が最も大きかったのは世界でもワースト2位となったペトロブラスで、前年比で34・4%の株価落ちとなった。同社は2009年には、資産価値の最も高い企業の10企業のうちのひとつに数えられていた企業であった。
ペトロブラスがここまで凋落した原因としては、負債の増大や政府による燃料資源への課税が投資家の信用を失わせたことが大きかったと見られている。
また、ペトロブラスの他にも6位にヴァーレ、7位にブラジル銀行、8位にブラデスコ銀行の名前が挙がっている。いずれの企業も前年比でおよそ25~30%の落ち込みを記録している。
このブラジル企業の落ち込みに関して、エキティ・リサーチ社戦略担当のアンドリュー・キャンベル氏は「この1年は新興国市場にとっては悲惨な1年だった。ブラジル企業は株価が26%下がったが、新興国でも全体で8%下がった」と語っている。実際、株価が落ちたワースト10国にはロシア、コロンビア、中国、メキシコ、インドネシアの企業が名前を並べている。
また、同氏は「その一方で米国企業の株価は全体で22%上がっている」と米国経済の復調も理由にあげた。
ブラジル企業の凋落の大きな原因として、ドルに対するレアルの暴落が上げられる。レアルは過去12カ月間でドルに対して16%安くなり、世界で4番目に暴落した通貨となった。これにより、ドルで換算した場合のサンパウロ証券取引所の指数は世界ワースト2位となる34%の暴落(1位はトルコのリラの37%)を記録した。