ニッケイ新聞 2014年3月12日
アマゾニア産業研究所の80周年を記念し、上塚芳郎、中野順夫さんが『上塚司のアマゾン開拓事業』を昨年に刊行した。限定500部。高野書店で販売中(協力費として100レアル)。
上塚のおいたちと植民思想に触れ、ヴィラ・アマゾニア建設、アンディラー模範植民地、アマゾニア産業株式会社、ジュート産業など、戦前の日本人アマゾン移民史を補う貴重な一冊だ。
明治維新後の農村事情から、当地の農業事情を踏まえ、田付七太大使の視察や福原八郎による調査団、国士舘、日本高等拓殖学校の拓殖教育など、移民を送りだす日本側の動向にも迫った。
芳郎さんは52年東京生まれで、上塚司の孫。77年北里大学医学部を卒業し、05年には東京女子医大教授に就任した。共著に『抗凝固薬の適正な使い方』(医療薬出版・08年)ほか。
中野順夫さんは43年北海道生まれで、70年にブラジル移住。以来農業に従事し、『コチアの解散』や『ブラジルにおける有機農業』などの報告がある。
問い合わせは高野書店(11・3209・3313)まで。