マラニョン州港湾を管轄する75代目の司令官に選ばれた浜岡マルコス大佐(48、二世)の就任式が1月17日、同州海軍省の施設で行われた。今後2年の任期で、鉄鉱石の輸出で使用され多くの船の往来があるブラジル内でも有数の大きな港を有するマラニョン港湾の安全性を図ることが主要な使命のひとつだ。浜岡大佐の二人の兄弟も軍人として活躍しているというから珍しい。
同月31日には、サンパウロ市南部カンブシ区の陸軍第4管轄区管理の伝達式が行われ、浜岡エドゥアルド茂陸軍大佐(46、二世)が新たに任務にあたることになった。主な任務は、サンパウロ州の大部分の徴兵管理で、この区域だけで、ブラジル最大の年間25万人の登録がある。
ふたりは兄弟で、サンパウロ市で不動産業を営む浜岡政晴さん(79、香川)の次男、三男にあたる。さらに長男のヒカルド英二(49)さんも軍人で、現在、陸軍大学校工学部で教鞭をとる。兄弟3人が軍人というのは、日系人ではもとよりブラジル人のなかでも珍しい。
父の正晴さんは、25歳のときに来伯。「教育しなければと思ったが、貧乏だったので、そんなにお金はかけてやれなかったし、言葉の面でも親としてできることは限られていた」という。ある程度の安定が保証されるので公務員を勧めたという。「士官学校へは子どもたちが自らの意志で進学をしたいというので応援した。本人たちの努力」と子どもたちの活躍を喜ぶ。
子どものころから、家庭内では日本語で会話し、そろばんも習わせた。兄弟それぞれが検定も受け1級~2級程度日本語能力ももっているという。
新任の挨拶で、エドゥアルド茂さんは、「日系人としてこの仕事ができることは誇りに感じ、よい成果を残し、我々の能力を発揮したい」と語っているという。