12日朝、ブラジリアの省庁前に、白い巨象の一団が現れ、デモ行進を行った―。白い巨象の横腹には「警察の取調べは96%非効率」などの言葉が書かれており、その周りは連邦警察官が取り囲んでいた。
空気を入れて膨らませた白い巨象は昨年行われたリオデジャネイロ州の連邦警官のストの時にも使われたもので、11日にリオデジャネイロ市で起きた同州の連邦警察官の抗議行動でもお目見えした。
リオ市での抗議行動は港湾地区の連邦警察本部前で行われ、市中央部のロドリゲス・アウヴェス大通りはブラジル大通り方面が1車線閉鎖されたため、いつも以上に渋滞した。
白い巨象(エレファンテ・ブランコ)は、「非常に価値のあるものでありながら、所有者がその所有物にかけるメインテナンスなどのコストがその有用性や価値に比例していない」といった意味を持つ慣用表現だ。
連邦警察官達は、組織内の官僚主義的などに反発してストを起こしており、労働条件の改善や組織構造の変革、キャリアの評価、捜査の近代化などを訴えている。
連警のストはブラジリアやリオ市だけではなく、パライバ州ジョアン・ペッソアでも12日に連邦警察官のストが起きた。同市では、市警の採用試験に受かったが一定の期間内に採用されずにいる人達のストも並行して行われた。
また、11日にはリオ市の他、アクレ州でも連警ストが発生。同州の連警は、仕事が込み入っているのにその内容の割りに評価が低い事や7年間も給与調整がされていない事を不満とし、連邦議会が審議しているキャリアの統一案の承認と発効などを要求した。
白い巨象はその他にも、2月25日にパラナ州クリチバでなど、各地に出現している。白い巨象の中には横腹に「公共の治安」と書いてあるものもあり、ワールドカップ開催都市での連警ストでは、(自分達の要求が聞いてもらえないなら)W杯期間中の業務を停止し、警備などにも協力しないから、治安維持は保証できないとの声も出ている事を暗示している。(13日付ボログ・ド・ゴルジーニョ、11日付グローボニュース、同日付オ・ディアなどより)