ニッケイ新聞 2014年4月1日
3月28日夕方、ブラジリア空港でアヴィアンサ社の旅客機で故障が起き、胴体着陸を行なったが、安全な着陸により死者や負傷者は出なかった。3月29日付伯字紙が報じている。
胴体着陸を行なったのはアヴィアンサのフォッケル100で、ペルナンブッコ州ペトロリーナからミナス・ジェライス州ベロ・オリゾンテへと向かう途中だった。
だが、ペトロリーナを離陸したときに前部の着陸装置に異常があることが発覚し、急遽ブラジリアで緊急着陸するように予定が変更された。
ブラジリアへの着陸は17時3分を予定していたが、同飛行機はブラジリア上空を40分間旋回した。それは、着陸のショックで燃料が爆発しないよう、燃料を空にする必要があったためだ。
着陸の滑走路には消防士十数人の待ち構え、着陸した瞬間に、両脇から消火器の泡を飛ばした。
結局、飛行機は後方の着陸装置と胴体部を使って着陸した。燃料の爆発は起こらず、乗客44人と乗員5人の計49人は怪我もなく無事だった。
飛行機は乗客を降ろす手続きを終えた後、すぐに飛行機事故防止調査センター(Cenipa)に故障の原因調査のために送られた。アヴィアンサは、着陸は無事に行なわれ、乗客の世話も最優先して行なったとの声明を出した。乗客の乗り換えも問題なく行なわれ、二つの滑走路で運営を行なっているブラジリア空港にも緊急着陸に伴う便の乱れはなかった。
パイロットのエドゥアルド・ヴェルリさん(45)は、事故の際の冷静な判断と手際の良さで「ヒーロー」と称えられている。ヴェルリさんは「ただ、落ち着いて悪いことを考えなかっただけ。こういうことが起きても問題ないように、私たちはしっかり訓練しているからね」と謙遜し、「人生で最も滑った着陸だった」と語っている。