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フォーエバー21が上陸=パウリスタとリオに開店

ニッケイ新聞 2014年4月2日

 世界30カ国に615店を構える米国の有名衣料品店、フォーエバー21がブラジルにもお目見えした。
サンパウロ市ジャルジンスに開店した店は、開店当日の朝5時半に買い物客が列を作り始めた。最高時は、店に入るために3時間かかり、2千人が店頭に列を作る状態で、店内で買い物をした後も、レジを通過するのに2時間かかる程の大盛況ぶりだった。
同じ様な状況は1週間後のリオデジャネイロ店開店時も起きた。店側は、店に入る事さえ出来ない顧客を満足させるため、ホットドッグと飲用水を配った他、店頭販売員と150人の警備員達は、米国の本店から選ばれたブラジル担当の役員達まで借り出さなければならなかったという。
ブラジルへの進出は5年前から話し合われていたというフォーエバーだが、国内でジョイントベンチャーの相手を見つけるのに手間取り、パートナーが確定したのは2013年7月の事。3月に開店したのはサンパウロ市とリオ市に各1店のみだが、その後は、両市にもう一店ずつ開業する他、サンパウロ州内陸部のリベイロン・プレットと、首都のブラジリア、南部のリオ・グランデ・ド・スル州の州都ポルト・アレグレの計7店舗を開ける計画が既に出来上がっている。
フォーエバー21は1984年4月、ロサンジェルスにファッション21として創業した会社で、1989年に5千平米という大規模な店を11番目の店舗として開けた時から、大型店舗での販売というスタイルが定着した。
カリフォルニア以外の州に進出したのは1995年。2001年には全米に店舗が広がり、4万平米という超大型店舗まで出現した。国外進出は2008年からで、ラテンアメリカでは2013年に第一号店が開業している。
ブラジルの事務所はサンパウロ市のジュセリーノ・クビチェッキ大通りに開設。ブラジル国内の責任者のオズワルド・ロイズネル氏は、サンパウロ滞在25年のウルグアイ人だ。中国に会社を持ち、貿易がらみで国外にいる方が多かったというが、フォーエバー21と契約を結んだ事で生活が変化。貿易筋から引き抜かれた役員は他にも2人おり、マーケティングのエドゥアルド・バルベリ氏は、オンラインで子供服の卸を行う店の共同経営者でもある。
事務局のエジソン・ペラ氏は90年代にC&Aの役員を務めていた事もある人物だ。アンドレ・ピエダーデ氏は、米国の高級ジーンズをブラジルに持ち込んだ企業家だ。
これらのスタッフは全員、夜もろくに眠らず、顧客の列を捌き、商品の受け取りや陳列などに全ての時間を割いている状態だという。
ブラジルでの営業目標は2015年末までに20店舗開設で、予定通りなら1月に1店の割で開店していくことになる。現在は電球などまで輸入しているが、近い将来は靴やジーンズなどの国産化も考えている。売れ行き好調で商品の回転も速いファースト・ファッション店は、船での輸入では間に合わないため、週2回、航空便を使用して品をそろえる。
現在の悩みの種は店内外の人の列をどうやって減らすかで、試着室に持ち込むのは1人6点までに限定する、週末はコントロールのための腕輪を配るなどの取り組みがなされているという。(3月31日付エスタード紙より)