ニッケイ新聞 2014年4月3日
先月26日未明、滋賀県湖南市で住宅火災が発生し、木造2階建てと近隣の2棟のアパートが全焼した。午前2時55分目撃者からの110番があったが、3時間後の5時55分に火が消し止められた。
火元と見られる焼け跡から見つかった2人は、ブラジル国籍のパトリシア・ヴィアナさん(31)と、息子アルトゥールくん(7)と断定。ほかにけが人はいない。共同通信などの複数メディアが報じた。
一家は3人暮し。夫のヒガ・デ・リマ・セルジオさん(35)は、夜勤で不在だった。
セアラーに住むパトリシアさんの家族に取材したグローボによれば、二人は7年前に結婚、2年前から日本で暮していた。火事が起こる前日も、電話で話したばかり。家族は来年に訪日計画を立てていた。
出火当時、妻のパトリシアさんから助けを求める電話を受け取ったセルジオさんは、「どうして消防車の到着があんなに遅れたのか。職場から10分くらいで駆けつけたときに、消防車はまだ到着していなかった。2階から飛び降りるように叫んだが、ショック状態の彼女は動けなかった。もう少し早く消防車が来ていたら…」と語っている。発見された時、子どもを包み込むように抱いていたという。