ニッケイ新聞 2014年4月3日
1日夜、チリ北部でマグニチュード8・2の地震が発生。2メートル余りの津波も起き、6人の死者が出た。津波警報は2日朝解除されたが、バチェレ大統領は同日朝、被災地を訪問し、具体的な対応を指示した。
海岸から86キロ、深さ20キロの地点を震源とする地震では、4329キロに及ぶ海岸線沿いの町に住む97万2千人に退避命令が出た。2日付各紙サイトによると、震源地に近いタラバカ州イキケ市では海岸から200メートルの所まで波が押し寄せ、男女合わせて6人が死亡、同国北部では9人の負傷者が確認されている。
今回の地震は人々が目覚めている時間に発生した事もあり、2010年2月に同国南部で発生したM8・8の地震より死者が少ないが、家屋の倒壊や漁船、船舶の破損などの被害状況の確認には時間がかかりそうだ。
北部にある3空港は津波警報の発令と共に閉鎖されたが、2日正午には航空便の運行が再開された。同地域の高速道路は土砂崩れなどの被害を受け寸断されている。
ナスカプレートと南アメリカプレートが接するチリ沖は地震が発生しやすく、イキケでは1877年にもM8・3の大地震が発生。1866年にもイキケよりやや北のアリカ沖で、M8・5の地震が発生している。2010年に同国南部で発生した地震はM8・8で525人の死者を出した。