ニッケイ新聞 2014年4月3日
経済協力開発機構(OECD)が2012年に行なった国際学習到達度調査(PISA)の結果が発表されたが、ブラジルの学生は全44カ国中38位と低調な成績に終わった。2日付エスタード紙が報じている。
PISAの最新版は2012年に全世界44カ国、8万5千人の義務教育最終学年生(15歳)を対象に行なわれた。12年のPISAは解答にコンピューターを使用。読解力や数学知識、科学知識と共に問題解決力も評価された。問題解決力評価の問題は、切符の買い方、MP3プレイヤーの扱い方、2点間を結ぶ最低距離の計算など、実生活に根ざしたものだ。
OECD全体の平均は500点だったが、ブラジルの平均は428点で、44カ国中38位に終わった。1位となったのは562点のシンガポールで、以下、韓国、日本、香港、マカオと、いずれも東アジア勢が上位を独占した。南米ではチリが36位、ウルグアイが42位、コロンビアが最下位の44位といずれも低かった。
ブラジルの生徒で6段階に分けられた理解レベルのレベル4をとれた人は10%しかおらず、47・4%はレベル1と2に終わった。それでも、ブラジルの「問題解決力」は、ブラジルと近い総合順位だった他国より高い数値を示していた。
また、今回の調査ではブラジル内に地域格差があることが再確認された。南東伯の平均は447点、中西部は441点、南部は435点だったのに対し、北東伯は393点、北伯は383点に終わった。また、男女間の差が大きいことも判明した。ブラジル男子の平均は女子の平均より22点高かったが、OECD全体の点差はわずか7点だった。
問題解決力の評価には数学知識の比重が高い。サンパウロ総合大学(USP)教育学部のオシマル・アルヴァルセ教授は、「応用力テストは新しいものではないが、教師自身がこの手の問題に馴染んでおらず、上手く使いこなせないのが問題だ」と語っている。