最高裁は13日、メンサロン上告裁判の最後の審議である3被告のマネー・ロンダリングに関する判事投票を行い、ジョアン・パウロ・クーニャ元下院議長(労働者党・PT)を含む政党関係者2名が逆転無罪、企業家1人が有罪となった。これでメンサロン裁判は終了した。14日付伯字紙が報じている。
13日の公判はクーニャ被告と、元進歩党(PP)秘書のジョゼ・クラウジオ・ジェヌー被告、金融仲介業社ボーヌス・バンヴァル社共同経営者のブレーノ・フィッシュベルグ被告のマネー・ロンダリングについてのものだった。いずれも12年の判事投票では4票以上の無罪票を獲得していた。
投票はジェヌー被告、クーニャ被告、フィッシュベルグ被告の順に行なわれ、ジェヌー被告が6対3、クーニャ被告が6対4で無罪となった。無罪票を投じたのは12年と同じリカルド・レヴァンドウスキー副長官をはじめ、ディアズ・トフォリ、カルメン・ルシア、ローザ・ウェバーの各判事と、12年の裁判には参加していなかったテオーリ・ザヴァスキ、ルイス・アルベルト・バローゾの両判事だった。
この顔ぶれは、2月27日に、ジョゼ・ジルセウ元官房長官(PT)ら9被告が犯罪組織形成で逆転無罪となった時と全く同じ顔ぶれだ。
なお、13日の公判では、ジルマル・メンデス判事はジェヌー被告への投票を、ジョアキン・バルボーザ長官はジェヌー被告とクーニャ被告への投票を行なっていない。バルボーザ長官はこの日、公判開始から2時間遅れで到着した。これに関しては、自宅で別の裁判の作業を行なうために遅れると同長官自身から事前に連絡があったとされている。
フィッシュベルク被告の投票は全11人の判事が揃った中で行なわれ、今度は一転して7対4で有罪のままとなった。これは12年の裁判で有罪票を投じた5判事に、テオーリ、バローゾの両判事が加わったことによるものだ。
これでブラジル政治史上最大と呼ばれたメンサロン裁判は終了した。この結果、4人のPT党員を含む25人の被告の有罪と12人の被告の無罪が決定した。
13日の公判終了後は前回の公判後のようなものものしさはなく、バルボーザ長官は何も言わず最高裁から立ち去った。同長官は2月27日の上告裁後、「法廷の空気が変わってしまった」と、ジウマ大統領(PT)から指名されて加わったテオーリ、バローゾ両判事に関しての批判を匂わす発言を行っていた。
公判後に唯一発言したバローゾ判事は、「今回の裁判の影響で、政界が変わってくれることを願う」とした上で、バルボーザ長官は「もう少し攻撃的な空気を緩和する必要がある」と批判を匂わす発言を行なった。
メンサロン裁判は現職の与党政治家も裁いたことで社会的に注目されたが、上告でPT要人らの罪状が逆転無罪で軽減されるなど、やや苦味を残した幕切れとなった。