ホーム | ブラジル国内ニュース(アーカイブ) | 来年以降電気代値上がり=少雨による火力発電稼動で

来年以降電気代値上がり=少雨による火力発電稼動で

ニッケイ新聞 2014年4月5日

この夏の少雨に伴う火力発電所の稼動などに伴う出費を補うため、2015年以降の電気代は、8~9%値上がりすると見られている。4日付伯字紙が報じている。

水力発電を主体電力源とするブラジルでは、この夏の少雨で水力発電所のダム貯水量が減少したことにより電力危機が懸念され、より経費がかさむ火力発電を通年稼動させて対処することとなった。だが、年内の電気代値上がりを避けるため、政府は3月半ば、国庫から40億レアルの支援を発表するとともに、銀行からの80億レアルの融資の保証を取り付けた。これにより、電力供給会社には120億レアルの資金が確保された。

国家電気庁(ANEEL)が3日に明らかにしたことによると、銀行からの融資の分は「全国の利用者が均等に支払うことで賄う」という。つまり、各電力供給会社の財政状況に関係なく、電気代は全国的に値上がりすることになる。電力部門の年間収益は約1千億レアルだから、銀行からの融資額はその8%に相当する額となる。

値上がり額に関しては明らかにされていないが、エスタード紙は、15年の値上がり幅は最大9%くらいではないかと見ている。電気代は2012年にジウマ大統領の進めた対策により、平均20%値下げされたが、この値下げも長くは続かないようだ。

電力供給会社への銀行融資は、エネルギー電力販売会議(CCEE)が一括して扱う。CCEEは特別な口座を開設して受取った銀行融資を電力供給会社に振り分ける。銀行からの融資返済のためには一定の歩合をかけた額を確保する必要があり、その分が来年以降の電気代に上乗せされる。通常の融資は電力部門が持つ基金を通して運用されるが、今回の援助はCCEEの設けた口座を通じての運用となる。融資を行った金融機関への返済は2016年から17年にかけて行われる。