ニッケイ新聞 2014年4月8日
「がんばれ! ブラジル」とW杯優勝を応援するのを主題に、モジ・ダス・クルーゼス文化体育協会(幸村ペドロ会長)が主催した『第29回秋祭り』開会式が、5日午前10時から総合運動センター(Av. Japao, 5919, Porteira Preta)で行われた。翌6日、翌週末の12、13日の4日間に渡って開催され、毎日60台の観光バス、計10万人の観光客が訪れる予定と主催者は発表している。アウト・チエテ最大に育った伝統の行事を楽しみに、当日はあちこちからの来場者であふれていた。
初日5日は好天に恵まれ、沢山の鯉のぼりと同祭シンボルである大鳥居が参加者を出迎えた。農産展会場には見事な出来の柿、桃、オレンジ、野菜などが展示された。その上にはサッカーでオーバーヘッドキック(ビシクレッタ)を決める選手の姿、ボールなどが飾り付けられ、W杯の雰囲気を盛り上げていた。
運動場の方には、地元日系団体によるうどんなど日本食を始め、農業機器の展示、特産品の販売に加え、約100店の業者出店が出て賑わった。
開会に先立ち、会場入口の「やすらぎの塔」では先没者慰霊祭が午前8時半からしめやかに行われた。約70人の地元関係者が次々に焼香し、先駆者の遺徳を偲び、秋祭りの成功を祈った。今年は特別に、同文協を長年支えて昨年亡くなった鶴我博文さんと鳥原セルジオさんの慰霊碑の除幕式も行われた。
開会式には300人が参加し、福島県人会モジ太鼓部「龍鼓太鼓」の切れのある演奏の後、マルコ・ベルタイオリ市長、安部順二・飯星ワルテル両連邦下議、西本エリオ州議、飯田茂領事部長、ブラジル日本文化福祉協会の木多喜八郎会長らが壇上に上がり、両国歌斉唱の後、祝辞を述べた。
開会挨拶で幸村会長は「小さい頃から母にガンバレとよく言われた。その言葉のお陰で秋祭りを開くことができた」と開催の成功と協力者への感謝を述べた。マルコ市長は「秋祭りは10万人の来場をも見込む州全体の祭りになった。これも日本移民のおかげ。同祭を通じて日本文化を普及させたい」と語った。
安部、飯星両下議、西本州議らがサンパウロ州文化局に申請していた同祭りへの議員割当て金27万5千レアルの署名式も行われ、来賓と主催者代表による鏡割りで開幕した。
来場した二世女性(70)は「サンベルナルドから毎年来る。農産展で見たレタスが見事だった。各地から名物が集まるので買い物も楽しい」と満足げに語った。
中山喜代治実行委員長は「これだけの規模で農産展をする祭りはない。日本文化をブラジル人に伝えたい」と意気込んだ。12日には秋祭りこどもコンテストが予定され、10年NHKのど自慢チャンピオン大会優勝者のロベルト・カサノバさんショー、最終日13日には伊藤カレン、平田ジョー両氏のショーなど盛りだくさんの舞台が予定されている。