ニッケイ新聞 2014年4月8日
応用経済調査院(Ipea)が4日、3月27日に発表した調査結果に間違いがあったと発表した。問題になったのは、「肌を露出するような服を着る女性はレイプされても当然か」という質問を含む2組四つの問いへの回答だ。先の質問は65%が賛成と発表され、社会的な反発も招いていたが、賛成26%と訂正された▼統計調査の回答集計では、どの番号の質問への答えかを間違えるととんでもない事になるが、Ipeaは連邦政府の政策決定にも関わる調査機関だ。それだけに、この様なミスの影響は大きく、院長の首のすげ替えにも繋がった▼もちろん、ミニスカートや体にぴったり張り付くような服を着ていればレイプされても当然という項目に26%が賛同した事は決して軽い事ではないし、最初の発表後、約2万人の女性が紙や腕で上半身を隠した状態のトップレスの写真をインターネットに掲載、「私はレイプされても当然ではない」と抗議した事も無視出来ない▼被害者が挑発したり隙を見せたりした事がレイプの原因との言い訳を許すような言い分は、相手の痛みを理解する事や自分を制する事が出来ない男性の行動を正当化しかねないとも思う▼だが、今回の件で最も痛感したのは公的機関の報道や発表の持つ影響力だ。もしこれが片田舎のタブロイド紙に載り、ネットでも注目されなければ、これ程の反応はなかっただろう。だが、報道内容に責任を負うべき立場の人間にとり、Ipeaのミスと院長更迭は、襟を正される事件だ。ちなみに、65%というのは、「暴行を受けた女性が暴力を振るうのが好きな相手と一緒に居続ける事に反対」という人達の比率だったとか。(み)