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インテルコンチ 日本食祭り=「本場の日本食を知って」=横浜から2シェフが来伯=当地日本食に辛口批評

ニッケイ新聞 2014年4月9日

野々部、関シェフ

野々部、関シェフ

ブラジルは空前の日本食ブームと言いながらも、本場シェフの〃舌〃からすれば、実は「これが日本食と思われるのは…」とのレベルだという。そんな当地で百周年に続いて2回目となる「日本食祭り」(Festival Gastronomico Japones)を、ホテル「インテルコンチネンタル・サンパウロ」とエティハド航空が8日から5日間、同ホテル内で開催している。7日のプレイベントで、来伯したシェフは「日本で通常出しているものと同じ料理で、ブラジルの方にも本場の日本料理を知ってほしい」と意気込みを見せていた。

来伯したのは五つ星の「横浜グランドインターコンチネンタル」の関圭一(51、東京)、野々部雄一(53、同)両シェフだ。「風をはらんだヨットの帆」の形をした外観で有名な、みなとみらい地区の象徴とも言えるホテルだ。

メディア向けイベントではオードブルが提供された

メディア向けイベントではオードブルが提供された

同祭は、フランクフルトや上海などでも開催され、当地では08年の百周年時に第1回が開かれ好評を博した。宮田カチア国際販売部長が「当ホテルのお客様の17%は日本人。日本食の朝食など日本人向けのサービスも充実させている。もっと多くの方に知ってもらいたい」と企画した。
調味料はシェフらが120キロ分を持参したが、食材は現地のものを使用する。野々部シェフは「サーモンなどは特に油が乗っていて状態が非常に良い。日本より魚の種類は少ないが、魚の質が良いので驚いた」と当地の食材に好印象を受けた様子。
百周年時にも来伯した関シェフも、「『丸海』(リベルダーデ区の日本食材店)に行ったら柚子胡椒やおろしポン酢など、思ったより種類が豊富だった」と驚きを見せる。しかしながら当地の日本食事情に対しては辛口で、「市内の日本食店にも行ってみたが酢の物は甘すぎるし、煮物もちゃんと出汁をとっているのか…。調味料も使いこなせているかは疑問」と苦笑い。
前回の同祭時に参加者から「本当の和食店は5店くらいしかない」と聞いていたが、現在も「前回とあまり変わってない感じ」との印象とか。関シェフは「これが日本食と思われるのは…。これだけ日系人がいるのだから、もっとちゃんとしないといけないという使命感を感じた」と力説し、「可能性があるならこちらのホテルで働きたい」とも話した。
コース料理は前菜、握り、刺身、てんぷら、小鍋など全15~6種類で110レアルと手ごろな価格設定となっている。平日は夕食のみ(午後8時~)、12日は昼食も提供。申し込みは同ホテル(電話=11・3179・2555、住所=Al. Santos, 1123, Jardins)まで。