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ベネズエラ=野党が真相公表を求める=大統領長期不在なら再選挙も

ニッケイ新聞 2013年1月4日付け

 ベネズエラのウーゴ・チャベス大統領の癌闘病をめぐり、ベネズエラの野党側が病状の真相公表を求めている。12年10月の大統領選挙で再選し、10日に就任式を控えている同大統領だが、病状いかんでは再選挙の可能性もある。3日付伯字紙が報じている。
 野党連合の民主統一会議(MUD)のラモン・ギレルモ・アヴェレード議長は、「国民にチャベス大統領が任務を遂行できると信じさせようとするのは無責任だ」と発言し、昨年12月11日にキューバで行なわれた癌手術後の病状に関する情報の透明性を求めた。
 同議長はチャベス陣営が考えている就任式の先延ばしに関しても異議を唱え、「10日に就任できないならその場で〃一時不在〃宣言を出すべきだ」と訴えた。〃一時不在〃は議会の承認が必要で、有効期間は最大180日。期限後も大統領が任務を遂行できない時や死亡や辞任などによる恒久的不在の場合は、大統領選挙が行なわれる。
 チャベス陣営は、憲法上は就任前の大統領の〃一時不在〃宣言規定はなく、不測の事態が起きた時の判断は最高裁に委ねられるとして、就任式を先延ばしする意向だが、MUDナンバー2のラモン・ジョゼ・メディーナ氏は「与党が就任式の先延ばしを強行するなら、メルコスールや米州機構に訴えて民主主義を貫ぬく」としている。
 チャベス大統領の健康問題は周辺諸国にも影響を及ぼし始めている。ベネズエラと左翼同盟を組むボリビアのエヴォ・モラエス大統領は「回復後のチャベス大統領にすぐに会えると信じたいが、状況は深刻だ」と胸のうちを明かしている。
 ブラジル政府はチャベス大統領の病状と野党の動きを観察し、野党側が反乱を起こす兆候はないと判断した上で、野党側が大統領就任式の延期についてチャベス陣営と冷静に話しあうことが望ましいとの見解を示した。ジウマ大統領はチャベス政権の維持を支持している。