ニッケイ新聞 2013年1月5日付け
在クリチーバ日本国総領事館はサンタ・カーザ・デ・サン・ヴィセンテ・デ・パウロ慈善病院(パラナ州テーラ・ボア市)、ノッサ・セニョーラ・ダ・コンセイソン病院(サンタカタリーナ州ウルサンガ市)と草の根・人間の安全保障無償資金協力による無償資金贈与契約を締結し、12月19日午後、総領事公邸で署名式を実施した。関係者ら約15人が出席した。
サンタ・カーザ慈善病院は貧困層を患者の多く持つ地域の中核的医療機関で、内科、外科、小児科、産婦人科の4科がある。今回9万9275米ドルを限度額に無償資金協力が行われ、病院に不足する医療ベッド、高圧蒸気滅菌器、パルスオキシメータなど医療機器の購入が支援される。
ノッサ・セニョーラ・ダ・コンセイソン病院は約10万人が居住する州南部隣接7市の中核的医療機関、及び救急病院として医療サービスを提供する。限度額7万2417米ドルの無償資金協力で、手術効率と精度の向上を目指し腹腔鏡下手術セットが購入される。
署名式で、内山美生総領事は「この寄付は日本国民とブラジル国民の友情の証」とあいさつ。サンタ・カーザ慈善病院のジョアン・アルヴェス・ジアス代表は「日本政府は我々の活動に理解を示し、支援を差し伸べてくれた。地元日系団体も契約の提携に尽力してくれた」と感謝を示した。
ノッサ・セニョーラ・ダ・コンセイソン病院のジョヴァニ・マニケ・バレット代表は、「ブラジルの健康問題はこれからまだまだ改善されなければならない。今回の寄付は、我々にとって大きなクリスマスプレゼントだ」と喜んだ。
サンタ・カーザ慈善病院関係者に付き添い署名式に出席したのは、今回の契約の締結に一役買ったテーラ・ボア文化協会の高野カズトシ会長と田村忠雄顧問。高野会長(35、三世)は、「地元の発展につながるプロジェクトを模索する中で、同病院に草の根協力への申請を勧めた」といきさつを語った。
テーラ・ボア市の日系人口は、約50家族。同文協では、すき焼き会の売上を老人ホームに寄付するなど、様々な慈善活動に力を注いでいる。