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「夢の米国旅行」が一転=単独旅行のブラジル人少女が収監

ニッケイ新聞 2013年1月11日付け

 昨年11月に米国マイアミへのひとり旅に出かけたサンパウロ市在住の15歳の少女が入国審査で止められ、以来、肉親に理由も説明されないまま未成年収容所に収監されていると9〜10日付エスタード紙が報じている。
 VLSさん(本名非公表)は、マイアミに住む叔母のマルリ・ヴォルペンへインさん(41)を尋ね、11月27日に米国に到着したが、入国審査でひっかかり、未成年収容所に送られた。
 VLSさんのケースは移民問題として扱われているというが、在伯米国大使館は未成年者の事件なので詳細を明らかにできないとの見解を示しており、ブラジルの外務省もその方針に従っている。
 VLSさんは親のサインと認証付きの旅行許可証を持っていたが、許可証がポルトガル語で書かれていたことが最初の問題だった。母親のアレッシャンドラ・アパレシーダさんによれば、公証翻訳人が英訳した許可証は28日に米国に着いたが問題は解決しなかった。「パスポートも観光ビザも帰国日(13年5月26日)が記載された航空券も持っていた。渡米して生活するわけでもないのに何が問題なのか。理由さえ教えてくれない」とアレッシャンドラさんは怒りを隠せない。
 収容所でのVLSさんは週に1度、家族との電話が許されているが「米国でのクリスマスや新年、ディズニーランドに憧れていた娘が、新年を閉じ込められた部屋で過ごし、〃帰りたい〃と泣いている。あの子の米国への夢が壊されてしまった」とアレッシャンドラさんは嘆いている。
 アレッシャンドラさんは9日、9日間連絡の途絶えていたVLSさんと電話で話し、公聴会は31日と伝えられた。外務省関係者が訪問を約束した10日はVLSさんの16歳の誕生日で、マルリさんも面会に行く意向を示していた。